東京都青少年健全育成条例改正にあえて賛成してみる/純丘曜彰 教授博士
/都条例の改正の焦点は、マンガやアニメの児童ポルノだ。不健全図書に指定されても発禁になるわけではなく、問題の本質は、児童ポルノを利用した近年のマンガやアニメの商業主義だ。社会を敵に回し、改正に反対する暇があったら、作り手たちが自分たちで解決すべきではないのか。/
青少年健全育成条例のようなものは、戦後、どこの都道府県にある。唯一無い長野県も、市町村の条例によってカバーされている。今回、東京都条例の改正案で論争となっているのは、青少年が販売したり閲覧したりしさせないようにすべき、いわゆる「有害図書」に、マンガやアニメの児童ポルノを明記しよう、という点だ。
現行の東京都の条例に即して言えば、「青少年」というのは「十八歳未満の者」で、これまでにも、第七条で、いわゆる「有害図書」(東京都の言い方では「不健全図書」)を青少年に販売等をしないように努めなければならない、とされている。その対象は、「図書類又は映画等の内容が、青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認めるとき」とされる。
この条文そのものからすれば、その主語は「図書類の発行、販売を業とする者は」であって、本来は、発行者や販売者が、そのおそれを認めるときに、青少年に販売しないようにする、という、自主規制の努力義務だ。しかし、実際は、同施行規則により、東京都青少年健全育成審議会が「不健全図書」を指定し、書店が、青少年に販売しないこと、青少年が閲覧できないように包装すること、一般図書と陳列を区別することが義務づけられることになる。
続きはこちら
青少年健全育成条例のようなものは、戦後、どこの都道府県にある。唯一無い長野県も、市町村の条例によってカバーされている。今回、東京都条例の改正案で論争となっているのは、青少年が販売したり閲覧したりしさせないようにすべき、いわゆる「有害図書」に、マンガやアニメの児童ポルノを明記しよう、という点だ。
この条文そのものからすれば、その主語は「図書類の発行、販売を業とする者は」であって、本来は、発行者や販売者が、そのおそれを認めるときに、青少年に販売しないようにする、という、自主規制の努力義務だ。しかし、実際は、同施行規則により、東京都青少年健全育成審議会が「不健全図書」を指定し、書店が、青少年に販売しないこと、青少年が閲覧できないように包装すること、一般図書と陳列を区別することが義務づけられることになる。
続きはこちら