商社マン しんちゃん。 走る! (13)/三宅 信一郎
〜高度成長からバブルを駆け抜け、さらなる未来へ〜
1980年〜90年台にかけての日本経済のバブルが膨れ上がって破裂前後の頃の、筆者のドロドロの商社マン生活の実体験をベースに、小説化しました。 今も昔も変わらない営業マンの経験する予想を超えた苦楽物語を、特に若手営業マンに対して捧げる応援メッセージとして書きました。
第二章 一人前への長い道のり
< 商社っちゅうのんは、一見大味でもっと雑なビジネススタイル
に見えるけど、結構繊細に冷静に顧客を分類・分析しているん
や・・>
柴田は続けた。
「案の定、業界ではアルミニウムへのウォンツがイノベータや
オピニオンリーダーのお陰で高まって、そして、幾つかの大企業が
具体的に予算をとった形でのアルミニウムへの引き合い、つまり
デマンドとなって現れた。
そこに、俺と関はあらかじめ計画しておいた戦略通りに日本非鉄
金属の製品販売部隊のトップを引き合わせ、大口の引き合いを獲得
した。
日本非鉄金属は、そうなると当然その引き合いに見合う生産量を
新たに確保しなくてはならないよな。
そのため、新たな圧延設備能力の増強という計画を立てる必要に
迫られることになる。
そこで、関と俺は、日本非鉄金属と一緒になって必要な生産量や
設備能力などのコンサルティングを行うと共に、新たに購入が必要
となる原材料であるアルミインゴットの調達先なども紹介し、プロ
ジェクト全体のプロデュースを行い、さらに、メーカーの選定プロ
セスや選定基準までの道筋を描くわけだ」
「な、なるほど・・・」
「その間、一方でその能力を満たすであろう設備メーカーにも内々に
声をかけ、わが社の強い立場を説明し、独占的に協業することを取り
付けて、そのメーカーに応札準備を進めさせる。
結果、本社調達部から引き合いが出る頃には、わが社は日本非鉄
金属とメーカーの両方から切っても切れない大事なパートナーと
続きはこちら
1980年〜90年台にかけての日本経済のバブルが膨れ上がって破裂前後の頃の、筆者のドロドロの商社マン生活の実体験をベースに、小説化しました。 今も昔も変わらない営業マンの経験する予想を超えた苦楽物語を、特に若手営業マンに対して捧げる応援メッセージとして書きました。
第二章 一人前への長い道のり
< 商社っちゅうのんは、一見大味でもっと雑なビジネススタイル
に見えるけど、結構繊細に冷静に顧客を分類・分析しているん
や・・>
柴田は続けた。
「案の定、業界ではアルミニウムへのウォンツがイノベータや
オピニオンリーダーのお陰で高まって、そして、幾つかの大企業が
具体的に予算をとった形でのアルミニウムへの引き合い、つまり
デマンドとなって現れた。
そこに、俺と関はあらかじめ計画しておいた戦略通りに日本非鉄
金属の製品販売部隊のトップを引き合わせ、大口の引き合いを獲得
した。
日本非鉄金属は、そうなると当然その引き合いに見合う生産量を
新たに確保しなくてはならないよな。
そのため、新たな圧延設備能力の増強という計画を立てる必要に
迫られることになる。
そこで、関と俺は、日本非鉄金属と一緒になって必要な生産量や
設備能力などのコンサルティングを行うと共に、新たに購入が必要
となる原材料であるアルミインゴットの調達先なども紹介し、プロ
ジェクト全体のプロデュースを行い、さらに、メーカーの選定プロ
セスや選定基準までの道筋を描くわけだ」
「な、なるほど・・・」
「その間、一方でその能力を満たすであろう設備メーカーにも内々に
声をかけ、わが社の強い立場を説明し、独占的に協業することを取り
付けて、そのメーカーに応札準備を進めさせる。
結果、本社調達部から引き合いが出る頃には、わが社は日本非鉄
金属とメーカーの両方から切っても切れない大事なパートナーと
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