1963年の発売以来、46年にわたって人々から愛され続けているロングセラー商品、グリコの「プリッツ」。そのプリッツが究極の進化を遂げた?

江崎グリコの「プリッツ」は発売以来46年を経た押しも押されもしない、堂々のロングセラー商品である。同じくロングセラーとして商品姉妹商品のような存在である「ポッキー」よりも3年先輩だ。「1粒300メートル」のキャラメルで名をはせた同社が、菓子カテゴリーへ進出を狙った戦略商品であるが、ポッキーと共に見事に看板商品として長きにわたり売れ続けている。

ロングセラー商品、または定番商品といわれるモノが、長い年月を経て人々に愛され、生き残っているヒミツは何だろうか。そんな問いかけをすると、多くの人から「変わらないこと」という答えが返ってくる。
確かに商品を作り続ける上での「こだわり」は不変であってほしいものだ。しかし、商品が生き残っていくためには、時代や人々の嗜好の変化に敏感に対応する必要がある。食品であれば、高まる健康志向に対応して減塩やローカロリーなどに対応する必要がある。また、消費者の嗜好の多様化に合わせて、様々な味のバリエーションが開発され続けているのである。

プリッツが好まれ、売れ続けているのは、一つには食べやすさと食感のよさだ。商品の語源は欧米で食べられている「Pretzel」である。特に米国で食べられているスナック菓子タイプの物が開発のヒントになっていたはずだ。しかし、米国のプレッツェルはあまりにゴツくて固い。かつてブッシュ大統領がフットボール観戦中に喉に詰まらせて倒れたほどに。
それを日本市場に合わせて、ほどよい固さと、指でつまんでポキポキと食べられるように工夫したのがプリッツだ。その形状と食感が中核的な価値である。

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