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 スノーボード男子で、2月のミラノ・コルティナ五輪ビッグエアで銀メダルを獲得した木俣椋真(23=ヤマゼン)が、ボートレーサーへの転身を目指していることが15日、分かった。すでに全日本スキー連盟(SAJ)には強化指定の辞退を伝え、スノーボードからは引退する。五輪メダリストがボートレーサーに転身するのは異例で、早ければ28年4月のデビューを目指す。

 横5回転半技を2本そろえ、木村葵来との日本勢ワンツーで銀メダルを獲得した五輪から5カ月。4年後にフランス・アルプス地域で開催される次回五輪でさらなる活躍が期待される木俣だったが、大きな決断を下したもようだ。近日中に発表されるSAJの強化指定を辞退。戦いの場を雪上から水上に移し、平均年収2000万円、40代中盤を超えてもトップで活躍できるセカンドキャリアへとかじを切った。

 19年世界ジュニア選手権ビッグエア制覇などの実績を引っ提げ、翌19〜20年シーズンにW杯デビュー。着実に実績を積み上げて、22年北京五輪の代表候補にまで上り詰めたが、国内5番手とあと一歩のところで出場を逃した。翌シーズンは強化指定を外れ、約1000万円を自費で賄いW杯を転戦。この経験を経て自身のキャリアプランと真剣に向き合い、ミラノ・コルティナ五輪代表に決まる前の昨夏には「五輪シーズンで引退→ボートレーサーへ転身」とのプランを温めていた。

 五輪では見事に銀メダルを獲得し、11位だったスロープスタイルでは最後の着地を決めていれば、金メダルの可能性があった。それでも五輪を終えて帰国する直前には、本紙の取材に「来年、再来年はトップで活躍できると思う。でも若手が育っていて、次の五輪に絶対に出られるかと言われれば怪しい。だったら、信念を貫いた方がいい」と語っていた。すでに17歳の木村悠斗、15歳の渡辺大睦ら次世代が台頭。次回五輪時は27歳になっていることもあり、後進に道を譲ることを決めた。

 今後は福岡県柳川市にあるボートレーサー養成所入りを目指し、日本代表などトップクラスの活躍実績を持つアスリートを対象とした特別試験を受験予定。すでに応募資格となる体重57キロ以下を目指して減量を開始し、体力の維持にも努めている。晴れて合格すれば来年4月に養成所入りし、1年後の28年にデビューとなる。雪上で培った精神力と身体能力を生かし、“水上の格闘技”でも頂点を目指す。

 ◇木俣 椋真(きまた・りょうま)2002年(平14)7月24日生まれ、名古屋市出身の23歳。3歳でスノーボードを開始。19年の世界ジュニア選手権、20年のユース五輪を制覇し、19〜20年シーズンにW杯デビュー。25年世界選手権のビッグエアを制覇し、2月のミラノ・コルティナ五輪はビッグエアで銀メダルを獲得、スロープスタイルは11位だった。W杯通算1勝、表彰台7回。スタンスはレギュラー。1メートル70。