【センバツ】今春から導入のDH 出場した選手、監督に聞く恩恵と難しさ
第98回選抜高校野球大会は31日、大阪桐蔭と智弁学園(奈良)が決勝で激突。両校とも兵庫県西宮市の練習場で最終調整した。また、今春から導入された指名打者(DH)制では、準決勝までの30試合でさまざまな傾向が表れた。出場した選手、監督に恩恵や難しさなど、「高校野球DH制」の現状を聞いた。
ドジャース・大谷らチームの強打者が座ることが定番のDHだが、ここまでは異なる傾向が出た。昨年大会の先発投手の打率・194に対し、今大会のスタメンDH選手は・190。ほぼ変わらない数字だ。打撃のいい投手がいる高校は、DHを使用しなかった。
打順は1番が計2人、2番は0、クリーンアップが計15人、6番以降が計37人。下位打線での起用が目立つように、DHが打線を活性化する役割にはなっていない。守備に就かないリズムに慣れていないことが一因のようだ。
昨秋、4本塁打を放った帝京(東京)の安藤丈二(3年)はDHで出場した2試合で計7打数無安打。「フィールドとの温度差がある。難しい」と打撃に特化する難しさを口にした。楽天、ヤクルトで外野手としてプレーした九州国際大付(福岡)の楠城祐介監督も「経験ありますけど1打席目に打てないとベンチにいなきゃいけないので、結構プレッシャーがかかってくる。よく“守りに行きたい”と思っていた」と回想した。
準決勝までの30試合で比較すると、出場選手総数は過去2大会を上回り、導入目的の一つでもある「活躍機会の創出」にはつながった。専大松戸(千葉)の吉田颯人(2年)は高校通算1号が大会DH1号。持丸修一監督は「守備が心もとない選手なのでDHがなかったらベンチには入れてなかった」と明かした。決勝に進んだ大阪桐蔭の左腕・川本晴大(2年)は打席数0で投球に専念し「打撃は結構疲れるので(疲労は)半分くらい」と効果を口にした。導入元年で各校、DHは手探り。夏までの課題となりそうだ。(高校野球取材班)
