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 東京ドームにトランペットの軽快なメロディーが響き渡った。10月18日のDeNA戦とのCSファイナルステージ第3戦。「1番・左翼」で出場した巨人・長野の第1打席の登場曲は「白いスーツのテーマ」だった。

 10年7月期のTBS系ドラマ「うぬぼれ刑事」のサウンドトラック。前日の10月17日に亡くなった俳優の西田敏行さんが出演していた。長瀬智也演じる主人公の刑事の父親役。長野にとって、西田さんと言えば、この作品だった。

 「おもしろいドラマで見ていた。どんな役でもできる凄い俳優さん。本当にいそうだなと思える」

 当時入団1年目で、同期入団の小野淳平投手(現広報)とハマっていた。小野広報は現役時代の登場曲にも使用。会ったことはないそうだが、2人で追悼の意味も込めて流した。

 誰からも愛された西田さんが天国に旅立って1カ月。訃報の際には「気遣いの人だった」という記事をいくつか読んだ。長野も球界きっての気遣いの男。新入団選手が打ち解けやすい空気をつくったり、違うテーブルの会計をスマートに済ませたり…。そんなエピソードをたくさん持つ長野の、さりげない心遣いを感じた出来事だった。(記者コラム・青森 正宣)