柳葉敏郎「悔いなく」27年演じた室井慎次は「良いことも悪いことも教えてくれた親友」
柳葉敏郎(63)が15日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた主演映画「室井慎次 生き続ける者」(本広克行監督)初日舞台あいさつで「悔いなく、室井慎次の人生を送ることができました。ありがとうございます」と感無量の思いを口にした。本広克行監督(59)も「室井さんが亡くなった」と口にしたように、室井は今作で人生を終えるが、柳葉は「このシリーズ含め、この作品で出会えたあなた方に感謝しかなくて、ですね…ありがとうっす…」と声を詰まらせた。
柳葉は地元・秋田県大仙市の映画館で、プライベートで作品を見たという。「当初、このお仕事は受けまいと思った人間が、生まれ育った場所で作品を作ってもらえる…役者としては、この上ない幸せで。地元のロケは、そこかしこにいる方々に感謝の思いでいました」と感慨を口にした。「かみさんと2人で見に行ったんですけど、かみさんが涙するところと、僕が泣くところと違う。室井になって泣いている…室井の涙ですよ。初めての経験でした。とにかく感謝だけです」と、室井の気持ちで初めて見て、泣いてしまったと吐露した。
室井慎次とは、自身にとって何か? と問われると「格好良いですね。改めて思いました」と即答。「27年間、付き合いましたけど、いろいろなことを教えてもらいました。良いことも、悪いことも…親友とは、そんなものだと思う」と、役を超えた存在だと認めた。そして「彼との付き合いを、柳葉敏郎の人生に生かそうと思います」とも語った。
本作は、12年に公開された「踊る大捜査線 THE FINAL」以来12年ぶりにシリーズを代表する脚本家で「容疑者 室井慎次」では監督も務めた君塚良一氏(66)が脚本を手がけ、監督はドラマシリーズのチーフ演出から「容疑者 室井慎次」以外の劇場版の監督を務めた、本広克行監督(59)が復帰。亀山氏含め「踊る大捜査線」シリーズを生みだし、日本屈指のコンテンツに成長させた、3人のレジェンド製作陣が集結。警察庁長官官房審議官になって警察の組織改革に挑むも、27年前に湾岸署の刑事・青島俊作とかわした約束を果たせなかったことを悔やみ、職を辞して故郷の秋田に帰京した室井を描く。捜査し、次々と犯人を逮捕してきたものの、その過程で見過ごしてきた事件の被害者、加害者家族を支援したいという思いから、そうした子供たちと穏やかに暮らす、血縁がないながらも、家族になっていく室井と子どもたちを描いた。
10月11日から「室井慎次 敗れざる者」が全国381館で公開。11月6日までの公開27日間で、観客動員数100万人を突破。ついに「踊る」シリーズの累計興行収入が500億円を超えた。
この日は日向杏役の福本莉子(23)森貴仁(タカ)役の齋藤潤(17)柳町凜久役の前山くうが、こうが(9)秋田県警本部長・新城賢太郎役の筧利夫(62)警察庁官房審議官・沖田仁美役の真矢ミキ(60)警視庁捜査一課・桜章太郎役の松下洸平(37)も登壇した。