194キロ死亡事故 元少年に懲役12年求刑 検察「サーキット場のような態度で走行」 弁護側「制御困難には該当せず過失運転」
大分市で3年前に起きた時速194キロの車による死亡事故の裁判員裁判で、危険運転致死の罪に問われている当時19歳の被告に対し、検察は懲役12年を求刑しました。
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この裁判は、大分市大在の県道で2021年2月、時速194キロの車が右折してきた対向車と衝突し、小柳憲さん(50)が死亡した事故で、運転していた当時19歳の男が危険運転致死の罪に問われているものです。
15日に開かれた裁判員裁判の第6回公判では、検察は「被告はマフラーやエンジン音、加速感を体感するため、心の中のワクワクした気持ちのままに走行。自分専用のサーキット場であるかのような態度で及んだもので、起こるべくして起こった事故と言える」と指摘。
「危険運転の中でも特に悪質で被害者に一切の落ち度はなく、結果も極めて重大」として懲役12年を求刑しました。また、危険運転が認められず、過失運転致死罪の場合は5年を求刑しました。
一方、弁護側は「極端な高速度であっても道に沿って走行できた場合制御困難には該当せず、通行を妨害する目的も認められない」と主張し、危険運転致死罪ではなく、過失運転致死罪の適用を求めました。
最終弁論で被告の元少年は「私の甘い考えと身勝手な行動に対し後悔の気持ちでいっぱいです。本当に申し訳ありませんでした」と改めて謝罪し、裁判は結審しました。
判決は11月28日に言い渡されます。
この事故をめぐって大分地検は当初、元少年を過失運転致死罪(懲役7年以下)で在宅起訴しましたが、遺族は刑罰の重い危険運転致死罪(最長懲役20年)の適用を求めて2万9680人分の署名を集め、地検に提出しました。
その後、大分地検は再度、現場などを調べた結果、2022年12月に起訴内容を「危険運転致死罪」に変更する異例の決定を出しました。
15日の公判では、亡くなった小柳さんの姉が被害者参加人として意見を述べ、「何も言えない弟の無念さや遺族の思いをくみ取った判決を心から願います」と訴えました。