2年連続で日本シリーズに出場する幡地

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◆2年連続2回目出場 幡地隆寛 (31)=ディライトワークス= 関西オープン、バンテリン東海クラシック優勝

 2024年シーズンの国内男子プロゴルフツアー最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップは28日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCC(7002ヤード、パー70)で開かれる。今季のツアー優勝者をはじめ、賞金ランク上位者ら総勢30人が出場。スポーツ報知では「王者たちの流儀」と題した連載で出場予定の8選手を紹介する。第1回は関西オープンでツアー初優勝を挙げ、アジアンツアーを含め今年3勝と飛躍した幡地隆寛。

 “未完の大器”と呼ばれた飛ばし屋が、今年だけで3勝と一気にブレイクした。自身初戦となった今年のアジアンツアー、ニュージーランドオープン(2月29日〜3月3日)でプロ初優勝。その後、日本ツアーでも2勝を重ねた。これまでのオフの過ごし方を見直し「体幹メインのトレーニングをして、今年すぐに優勝できる準備をしていた」という取り組みが奏功し、ショットの安定感が増して飛躍の一年となった。

 188センチ、98キロの恵まれた体格を生かし、平均飛距離はツアー4位の307・56ヤードを誇る。そんな31歳の趣味はダーツ。東北福祉大時代にはまり「プロ級の腕前」だという。1200点満点のカウントアップで、ベストスコアは1100点というほどだ。陣取りゲームのような「クリケット」にはゴルフとの共通点を感じている。「ただ投げればいいわけではなく、頭も使いながらプレーしないといけない。元々、戦略性のあるゲームが好きで、ゴルフもダーツも好き」と話す。

 大学卒業後にダーツから離れたが、今年7月に再開。ツアー1勝の片岡尚之(26)や通算5勝の稲森佑貴(30)らダーツが得意なプロゴルファーも多く、影響を受けた。ツアー転戦先で大会期間中にプレーすることも多く「ばったり絶対誰かと会っちゃう。1人も楽しいですけど、誰かとやるのも楽しい」と絶好の気分転換になっているという。「ずっと勝ち続けるのも面白くない。ある程度やり込まないのも、楽しくいられる秘けつ」だと笑う。

 日本シリーズは2年連続で出場権を手にした。初出場だった昨年は体調不良も影響し、最下位に終わった。「めちゃくちゃ悔しかった。(コース)マネジメントが要求されるので作戦を立てたい。どこまで上を目指せるか。チャレンジになる」と雪辱に燃えている。次なるターゲット、初のメジャー制覇の的のど真ん中を豪打で射抜く。(富張 萌黄)

 ◆幡地 隆寛(はたぢ・たかひろ)1993年6月30日、広島・三原市生まれ。31歳。10歳で兄、姉と一緒にゴルフを始め、岡山・作陽高時代に日本ジュニア3位。東北福祉大では2014年日本アマ16強、4年時の15年、関東学生選手権で優勝。16年からプロとしてツアーに参戦。今年3月の豪州とアジア共催のニュージーランドオープン優勝。5月、関西オープンで日本ツアー初優勝。188センチ、98キロ。家族は妻。