女性目線「膝を突き合わせ」=塚田新監督が始動―柔道女子
柔道日本女子の塚田真希新監督(42)が始動した。
2日の講道館杯全日本体重別選手権を初めて監督として視察し、「いろんな選手にチャンスがあるのだな、と思いながら見ていた」。少し緊張した面持ちで振り返った。
今夏のパリ五輪では、久々に日本代表の柔道を外部の立場で見た。女子7階級の金メダリストは全て違う国の選手で、開催国フランスも個人戦では苦しんだ。塚田監督は「海外の柔道の実力が高くなっている状況で、国内の情報だけでは太刀打ちできない」とみる。
自身を支えるコーチ陣は「海外での指導経験がある人」を基準の一つにして選考した。早川憲幸氏はコロンビア、高市賢悟氏は台湾で代表を教えた経歴が光る。
女性監督ならではの目線にも注目。母校東海大での指導経験から「すごく細かいところに配慮していくことが女子の指導には求められる。何となく『分かってくれるだろう』ではなく、しっかり膝を突き合わせて話をしていくのがすごく大事」と持論を示した。
お家芸柔道の日本代表監督を女性が務めるのは塚田氏が史上初。3大会連続の五輪出場を目指す52キロ級の阿部詩(パーク24)は新監督の印象を「強い女性。ストレートでピシッとしている」と語る。自身の競技人生で女性指導者に教わるのは初めてと言い、「新鮮でわくわくする。相談しやすいことはあると思う。(自分の中に)ためずにしっかり意見を伝えられるような関係でいくのが一番いい」と期待を口にした。