「ヤンキースが自滅すると知っていた」ジャッジらの失策を“見抜いていた” ド軍分析会議の内幕が判明「基礎より才能」

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ジャッジの落球から失策を繰り返したヤンキース。そのプレーがワールドシリーズの行方を変えた。(C)Getty Images

 去る10月30日に行われたワールドシリーズ第5戦で、ヤンキース守備陣がドジャース相手に披露したのは、勝敗の行方を左右した痛恨のエラーだった。

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 6-7と逆転負けを喫した一戦にあって悪夢の展開となったのは5回の守備だ。アーロン・ジャッジ、アンソニー・ボルピーの失策が重なって無死満塁のピンチを迎えたヤンキースは、なんとか2死までこぎつけるも、ムーキー・ベッツの放った一塁への平凡なゴロの間に投手のゲリット・コールがベースカバーに走らず……。

 これが適時内野安打になって1点を返されたチームは瓦解。直後にフレディ・フリーマンとテオスカー・ヘルナンデスに適時打を打たれて一挙5失点。押せ押せムードが一転し、15年ぶりとなる“世界一”を逃した。

 現地メディアで「史上最悪の自滅だ」と皮肉られたヤンキース。もっとも、ドジャースは相手守備陣の綻びを“狙っていた”という。ニューヨークの日刊紙『New York Post』の敏腕記者であるジョエル・シャーマン氏は「ドジャースの分析スタッフたちはヤンキースに“野球をやらせればいい”と考えていた」と指摘。エラーの数々が必然であった舞台裏を論じた。

ドジャースのスタッフたちがスカウティング会議で選手たちに伝えたのは、ヤンキースが基礎よりも才能を重視したチームだと言うことだ。彼らは目的意識を持って、積極的な走塁をすれば、ヤンキースが自滅することを知っていた。とにかくボールを打てば何かが起きる。彼らにプレーをさせる価値は非常に高いということだ」

 ヤンキースにあった基礎の怠りを突いたドジャース。シャーマン記者によれば、彼らはヤンキースの守備を「野球界で『最悪』と評価していた」という。

「とくにヤンキースの守備位置の取り方は最悪だった。ドジャースはボールの中継を誰もコントロールできないまま内野をすり抜けていく回数も多く、ジャズ・チザムJr.がプレー中に場違いなところで、ただじっと立っていたりする頻度に驚いたという」

 ドジャースの見抜いた通りに守備から崩れていったヤンキース。捲土重来を期する来季に向けては、戦力補強もさることながら“凡事徹底”が求められるのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]