◆米大リーグ ワールドシリーズ第3戦 ヤンキース2―4ドジャース(28日、米ニューヨーク州ニューヨーク=ヤンキースタジアム)

 ヤンキースがドジャースに3連敗し、崖っぷちに追い込まれた。

 5回までドジャース先発ビューラーに2安打に封じられ、救援陣も攻略できなかった。9回2死からバードゥーゴが2ランを放ち、球団史上03年第6戦以来のワールドシリーズでの完封負けこそ免れたが、遅すぎる反撃だった。

 ブーン監督は「打開しなければならない。山本と同じようにビューラーにうまく投げられた」と敗戦を振り返った。「序盤は多少球数を投げさせることができたが、一度リードされたらうまくやられた。道を探さないといけない。次の試合に集中しなければ」と厳しい表情だった。

 4回。第1戦で逆転満塁サヨナラ弾を被弾したコルテスが、大谷とベッツを抑え、反撃ムードを作った。その裏、先頭のジャッジが左飛に倒れた後、スタントンが、チーム初安打となる左翼線二塁打。2死後、ボルピが左前打を放ったが、スタントンは、ド軍左翼手T・ヘルナンデスの見事な返球に本塁憤死。ヤンキースは待望の得点機を逸してしまい、歓声が一瞬にしてため息に変わった。

 ジャッジの不振は本拠に戻っても良化の兆しは見えなかった。初回1死一塁の第1打席では温かい拍手と「MVP!」「MVP!」の大合唱で迎えられた。フルカウントから空振り三振に倒れ、10打数7三振となった。第2打席は左飛。6回1死一塁の第3打席はドン詰まりの投ゴロに倒れた。8回1死では四球を選んで出塁したが、ヤ軍で唯一好調なスタントンとチザムは連続三振に倒れた。ブーン監督はジャッジについて「『アーロン・ジャッジ』にならねばいけない」と奮起をうながした。

 過去のワールドシリーズで開幕3連敗から逆転優勝したケースはない。過去119回開催されて一度も達成されていない4連勝逆転Vをするしかない。「我々は勝つためにトライしなければ」とブーン監督。15年ぶり本拠開催のワールドシリーズで早くも追い込まれた。