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横浜市で起きた強盗殺人事件で逮捕された男が「『日給15万円以上』の見だしで応募した」などと供述していることが新たにわかりました。

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24日夜、規制線が外れた神奈川県横浜市の現場。

記者
「現場の玄関ですが、警察が駆けつけたときドアの鍵は開いていて、隣の窓ガラスは割られていたということです」

この家に住む後藤寛治さんを殺害したうえ現金を奪った疑いで、実行役の1人として逮捕された宝田真月容疑者(22)。その後の捜査関係者への取材で、事件当日までの行動も明らかになってきました。

闇バイトに応募したのは事件の数日前で、SNSで「ホワイト案件」「高収入」と検索し、「『日給15万円以上』の見だしで応募した」と供述していることが明らかになりました。

そして事件前日の今月14日、指示役から横浜市青葉区内の駅に行くよう指示され、宝田容疑者は車で向かうと、駅や近くのコンビニでほかの2人と合流したということです。

その翌日、事件は起きました。

また、宝田容疑者は「現場に向かう途中で闇バイトに気づいた」「事件後に闇バイトはもうやめようと思った」といった趣旨の供述もしているということです。

8月末以降、相次いでいる闇バイトによるとみられる強盗などの事件。これまでに35人以上が逮捕されていて、さらに24日、千葉県八千代市の事件をめぐって動きがありました。

事件の約1時間前、隣の千葉県船橋市にある貴金属店にも不審な2人組が訪れていたことが新たにわかりました。

貴金属店社長
「お店の前を2人組の帽子とマスクの男が行ったり来たりして、『うちは予約制ですので後日いかがですか』という話をしたら、『それでしたらいいです』ということでそのまま帰って行った」

今年8月、仲間とともに貴金属店に強盗目的で押し入ろうとした疑いで再逮捕されたのは19歳の少年。

再逮捕 強盗予備の疑い 19歳の少年
「お金をもらうためにやった」

少年は運転役とみられ、すでに八千代市の事件で実行役とみられる2人とともに逮捕されていました。警察は、この2人も船橋の事件に関与したとみて捜査しています。

こうした中、24日、「闇バイト」をめぐる注目の裁判でも動きがありました。

永田陸人被告(23)。指示役「ルフィ」らによる一連の強盗のうち6つの事件に関わったとして起訴され、去年1月、東京都狛江市で90歳の女性が死亡した強盗致死事件では、実行役のリーダー格でした。

24日の裁判で検察側は、永田被告に対し「無期懲役」を求刑。「動機は身勝手かつ利欲的」「高齢で抵抗できない女性に暴行を加えた犯行は残虐で極めて悪質」と指摘しました。

一方、弁護側は「責められるべきは首謀者の指示役」「永田被告は深い反省の意を示している」として、有期の懲役刑が相当だと主張しました。

法廷では被害者遺族の意見陳述も読み上げられました。

被害者遺族(意見陳述)
「母は本当に普通の女性で普通のおばあさんでした。あと10年生きられれば100歳でした。100歳まで生きてほしかったと思います。母が何を思って死んでいったのだろうかと考えない日はありません」

被害者遺族(意見陳述より一部抜粋)
「残念ながら、闇バイトによる強盗事件が多発しています。このような悲惨な事件を絶対に許してはならないと思うのであれば、被告人を極刑に処す、それこそが将来の事件を未然に防ぐという意味で一番効果があることではないでしょうか」

一方、永田被告は時折、涙声になりながらこう訴えました。

永田陸人被告(23)
「私の意思でやったことです。責任を果たすには死刑がふさわしい。私のことは一切考えないでください。被害者遺族の気持ちだけを考えて極刑を下してください」

判決は11月7日に言い渡される予定です。

(10月24日放送『news zero』より)