紫金山・アトラス彗星 今日が肉眼では限界? 天文同好会「目が良い人なら」金星の右上を午後6時すぎに注目! 最後の最後に見るコツは 同好会撮影の美麗写真も掲載
日本全国を天体ショーの虜にした紫金山・アトラス彗星(ツチンシャン・アトラスすいせい)。1週間に渡る美しいショーが、いよいよ最終局面を迎えます。
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終盤は肉眼で見るチャンスがあるのか。山形天文同好会の宮田正一さん(76)にお話を聞きました。また記事後半には、同好会のみなさんが撮影した写真を多数掲載します。ぜひご覧ください。
※画像は視聴者提供(新庄市)
■最後の最後に見るためのポイントは
かなり高度が高くなってきましたが。
「高度が高くなってはいますが、きのうも肉眼で見えました」
「目が良い人なら肉眼では23日(きょう)ごろまで見られるかも。空が晴れて、暗くて、空の透明度が高いと見える」
見るのに適した時間は。
「ここ最近は午後6時すぎが見えやすかった」
いつまで見られますか。
「肉眼ではきょうあたりが限界かもしれない。望遠鏡なら年内は見られる」
肉眼で見るなら双眼鏡を使うのがおすすめ。
「おすすめは7倍程度。性能が良すぎても見づらい」
また肉眼では見えなくても、最近のカメラはすごいのだとか。
「スマートフォンのカメラや一眼レフカメラなら、今月いっぱいは撮影できる」
ぜひこのポイントを踏まえて、最高の天体ショーを見てみたいものです。
■彗星とは 国立天文台
簡単に言えば「核(彗星本体)の表面の物質が太陽風に飛ばされるため尾のように見える」のが彗星。そのため尾は常に太陽とは逆の方向に伸びます。
太陽に近ければ太陽風に飛ばされる量が多いため尾が長く明るく見え、遠くなれば飛ばされる量が減り尾が短く見えづらくなります。
彗星は太陽でスイングバイ(引力を利用して軌道を変え飛び出す)して遠ざかり、いずれ太陽に戻ってきてまたスイングバイする・・・と考えられています。
※TUY情報カメラ撮影(山形市)
以下、国立天文台の解説です。
夜空にぼんやりと輝き、地球に近づくとほうきのような長い尾をひく彗星は、その姿から「ほうき星」とも呼ばれます。
彗星の主成分は水(氷)で、表面に砂がついた「汚れた雪だるま」にたとえられます。太陽に近づくと、その熱で彗星本体(核)の表面が少しずつとけて崩壊します。そのときに本体の氷が蒸発し、ガスと塵も一緒に表面から放出されます。その結果、彗星の本体がぼんやりとした淡い光に包まれるように輝いて見えます。これは「コマ」と呼ばれます。
※彗星イメージ 国立天文台
さらに、本体から放出されたガスと塵がほうきのように見える「尾」を作ります。彗星の尾は、その成分と見え方から大きく2種類に分けられます。
■彗星の尾の秘密
一つは、ガスが作る「イオンの尾(または、プラズマの尾)」です。放出された電気を帯びたガス(イオン)は、太陽風に流されて太陽とは反対の方向に細長く伸びます。
もう一つは、塵が作る「ダストの尾(または、塵の尾)」です。放出された塵は、太陽の光の圧力(光圧)を受けて太陽とは反対の方向に伸びますが、塵のサイズによって圧力の受け方が異なるために、彗星の軌道面に広がった幅のある尾になり、イオンの尾とは異なる様子になります。
一部の粒の大きな塵は、彗星と同じように彗星の軌道を周回し続けます。これが流星群のもとになるのです。
このような彗星のコマや尾が目立って観測され始めるのは、彗星が太陽からおよそ1天文単位前後 、つまり地球の軌道程度まで近づいてからです。
彗星が太陽に近づくほど本体から放出されるガスや塵の量が多くなるため、コマは明るくなり、尾も明るく長く伸びます。
しかし、太陽に近づいた際に、どの程度明るくなるか、地球からどのように見えるかは、彗星本体のサイズや表面の状態、成分、さらに地球との位置関係によっても異なるため、正確な予測は難しいのです。
※彗星の周回イメージ画像 国立天文台
■どのように、どの位置にみえるかを図で 国立天文台
■山形天文同好会撮影 紫金山・アトラス彗星 写真集
星に魅了された人たちが撮影した美麗な写真をお借りしました。
↑サムネにも使わせていただいた写真。吸い込まれそうな美しさ。
↑これから宇宙のどこを旅するのだろう。
↑青い夜空に薄く伸びる尾。
↑空には神秘が幾重にも存在する。
↑時を忘れてしまう。
↑文明と究極の自然現象。
↑次はいつ会えるのか。詳しくはわかっていない。
【画像つき記事はこちら】https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1505200?display=1