【+αオンライン編集部】死刑執行後の「遺族」を襲った大パニックの真相…死刑に立ち会った刑務官が告白

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日本では死刑判決はどう行われ、死刑囚はどんな生活をして、死刑はどう執行されるのか。前編に引き続き、漫画家・一之瀬はちさんが実際に死刑に立ち会った刑務官に取材した『刑務官が明かす死刑の秘密』より取り上げる。

死刑執行のあとに…

裁判の判決を待つ未決囚や死刑囚が暮らす拘置所では、日々様々な事件が起きているというが、死刑執行後に事件が起こることもある。

1872年、放火の罪で死刑囚Sの死刑が執行された。遺体は遺族に引き取られることとなり、遺族は棺を刑場から運び出した。しかし、1キロほどすると、棺の中から「ギュルギュル」「ゴボッ」など謎の音が聞こえてきた。

棺を確認すると、そこには息を吹き返した死刑囚Sの姿が…。親族は慌てて役場へ報告をした。その結果、Sの死刑は「成功」したものとされ、後に彼の戸籍は復活したのだという。

「今はもうあり得ませんが、これが日本において数例しかないという死刑執行後に復活した例です。ちなみにSの遺体は引き取り手がいなかった場合、解剖される予定だったというから間一髪でした」(取材したM刑務官)

動かない死刑

拘置所で暴れる者もいれば、逆に動かなくなる者もいる。某留置所に収容されていた死刑囚Mは、裁判中に大声を出すなど様子がおかしく精神鑑定を受けてたが、責任能力ありとのことで死刑判決を受けた。

すると、その直後からさらに様子が一変したという。拘置所内で刑務官が声をかけても全く反応を示さず、まるで人形のような状態になってしまったのだ。ついには排泄も自分の意思でできなくなり、常におむつを装着するようになった。

「こういう状態を『擬死反射』といって、外敵に襲われた生物が死んだそぶりを見せるのと同じようだと言われています」(M刑務官)

結局、Mの死刑はその後執行されたのだが、一切暴れることなくこの世を去ったという。

「それが詐病だったのか、本当の病だったのかは永遠に謎のままです」

奇妙な合致

拘置所で起こる事件によくあるのが、『奇妙な合致』です」(M刑務官)

数十年前、顔見知りの女性を些細な口論から殺害し、死刑判決を受けた死刑囚O。一審で死刑判決を受けたが即日控訴、その後も死刑回避のため、弁護士と接見をくり返していた。

ところがある日、Oは自身の靴下を利用して自殺してしまったのだ。

「遺書も無く、自殺まではいつも通りの生活を送っていたのですが、その死亡日に『奇妙な合致』があった。何とOの自殺した日と彼が顔見知りの女性を殺害した日が全く同じ日だったのです。死刑回避に熱心だったOがなぜ急に自殺したのかは、謎のままです」

本記事では裁判の判決を待つ未決囚や死刑囚が暮らす拘置所で起きた事件について取り上げた。死刑制度は賛否両論があり、どちらの考え方が正しいという性格のものでもない。だからこそ、今一度「死刑」について深く考えるきっかけになるかもしれない。

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