「おっぱい切っちゃうわ!」と言われ…篠崎愛がマネージャーに乳がんを告白されて思ったこと

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「サテライトオフィス」のCMなどが注目を集め、グラビア界のレジェンドとして活躍する篠崎愛さん。所属する株式会社IMO(Indigo Magic Orchestra)社長で、篠崎さんの担当マネージャーでもある五間岩ゆか(ごけんいわ・ゆか)さんは乳がんサバイバーだ。

その五間岩さんと、主治医であるがん研有明病院乳腺センターに勤務する片岡明美医師に取材し、乳がんに気づいた時から根治までのリアルを詳しくお伝えした。そこで出てきたのが、篠崎愛さんをはじめとしたタレントたちの存在が、治療の助けになったという言葉だった。

では、仕事のパートナーの闘病を間近で見つめてきた篠崎さんはどのように感じたのか。島沢さんによるインタビュー前編では、がんだと告げられた時のことをお伝えする。

*なお、乳がんの治療は「標準治療」の中でも個人により差異があります。また、添加物やオーガニック、よもぎ蒸しなどとがんの関係はエビデンスで証明されているものではありません。治療に関してはご自身の医師と相談いただきますようお願いします。

「ステージ3の乳がん」と電話で告げられた

――愛さんをサポートする五間岩さんは2023年、最初の診察で「ステージ3の乳がん」の宣告を受けました。愛さんへすぐ電話したと聞きました。愛さんはその時、どんな会話をされたのか覚えていますか?

篠崎「覚えてますよ。五間岩さんはとにかく明るいんです。でもこの日はいつもと様子が違いました。だいたい電話の第一声は『愛、おっつー!!』って感じなのに、かなり暗いテンションだったので『あれ?』って思ったんです。そうしたら、がんが見つかったと……。正直、何て言ったらいいかわからなくて、咄嗟に『いや、大丈夫でしょ!私より元気だし!』って言った気がします」

――愛さんにとってある意味最も身近な方です。彼女の生命力を信じていた部分もあったのですか?

篠崎「そうですね。五間岩さんはかなりたくましいというか、めちゃくちゃ元気なんです。私が今まで会ってきた中で一番元気と言っても良いくらい元気なんです。マイナスな言葉を言っているのを聞いたことないし、いつもポジティブなんです。どんなときでも私に『大丈夫大丈夫!!』って言ってくれます。私のほうが(五間岩さんよりも)ずっとマイナス思考なので……」

――自分は自己肯定感が低いタイプなのに、マネージャーさんを励ましたんですね。

篠崎「私はとにかく”気にしい”な性格で、いろんなことを気に病んでしまう。撮影もそうだし(CM映像などの)収録とかも全部。これ大丈夫だったかな?あれもう少しこうした方が良かったかな?って気になるとすぐに落ち込んでしまって、帰りの車の中とかで『あー、あそこダメだった』ってグズグズ言っちゃうんですけど、五間岩さんは『いやいや、大丈夫!』『最高だったよ!』『愛は宇宙一、可愛いから!』とかすごく褒めてくれて(笑)だから、いつも自分が言ってもらっていた言葉が出ただけというか、私的には励ました感覚は特にないんですよね」

「おっぱい切ることにしたわ!」と言われ

――五間岩さんはその後の精密検査で乳がんはステージ2に下がるのですが、リンパへの転移が見つかり、かなりハードな抗がん剤投与が始まりました。仕事をしながらの治療は大変だったようですが「愛がそばにいてくれたからよかった」と感謝されていました。

篠崎「抗がん剤のことはもちろん聞いていました。でも、基本的に体調が落ち着いて元気になってから私と会っていたからなのか、いつも通りめちゃくちゃ元気で、五間岩さんが闘病中だってことをついつい忘れちゃうんですよね。時折思い出して『あ、そういえば体調大丈夫ですか?』って聞くんだけど、常に笑顔で『全然平気!』って言われちゃう。仕事が終わって別れた後に『このあと家に帰って実はひとりでつらくなっちゃったりしてるのかな?』って想像することはありましたね」

――抗がん剤治療の後、乳房を切除する決意をされます。このことを知らされた時、同じ女性として愛さんはどんなふうに受け止めましたか?

篠崎「一緒にごはん行った時だったかな。『おっぱい切ることにしたわ』って言われました。私からは(転移の)リスクがあるなら取ったほうがいいよねって話しました。私だったらどうするだろう?って考えたりはするけど、実際に乳がんになってないから全てを理解することはできないし。ただ、想像はできるって言うか、大変な決断だよねって」

――一番身近にいるからこそ、対応も慎重になりますね。

篠崎「私はとりあえず、いつでもそばにいるしって思ってたけど、必要以上に口にしたりはしなかったです。別に言わなくても通じているだろうと。私自身、自分がつらい時に周りから『大変だね』って言われるのがあまり好きじゃなくて。ほっとかれたいわけではないけど割と淡々とやりたいタイプなので。五間岩さんに対しても、とにかくいつも通り普通に接していよう、普通に横にいようって考えました」

◇「普通に接する」「いつでもそばにいる」。篠崎さんが何気なく語るそういう行動が、五間岩さんには大きな救いとなった。ではそんな五間岩さんを見て篠崎さんはどう変わったのだろうか。

後編「「はじめて乳がん検診に行きました」篠崎愛がマネージャーの罹患に向き合い変わったこと」にてつづきをお伝えする。

「はじめて乳がん検診に行きました」篠崎愛がマネージャーの罹患に向き合い変わったこと