「パパ、頑張れー!」 リング横で響く4歳長女の声援、ユーリ阿久井政悟が辛勝V2「最後は子どものおかげ」
Amazon プライム・ビデオで生配信
ボクシングのWBA世界フライ級(50.8キロ以下)タイトルマッチ12回戦が13日、東京・有明アリーナで行われ、王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が同級8位タナンチャイ・チャルンパック(タイ)に2-1で僅差判定勝ち(117-111、115-113、113-115)した。5月の東京D興行以来2度目の防衛戦。14日を含め、日本初となる1興行7つの世界戦が2日に渡って行われる。戦績は29歳の阿久井が21勝(11KO)2敗1分け、24歳のチャルンパックが25勝(15KO)2敗。
愛する家族の前で戦い抜いた。阿久井は序盤から圧力をかけ、上下の打ち分けやコンビネーションで攻め立てた。「地味で堅い」と自負するボクシングでじわじわと削る展開。リングサイドには妻・夢さんと2人の娘が駆け付けた。「パパ、頑張れー!」と幼い声が何度も響く。6回は打ち下ろしの右を被弾した。中盤は反撃を受ける場面が目立ち、10回は猛ラッシュを浴びてクリンチでしのいだ。
11、12回は打ち合い。最後まで前に出て打ち続けた。判定は2-1の辛勝。「勝ったと言っても全然完勝じゃない。凄い強い相手。若くて勢いがある。フェースオフでずっとベルトを見ていて、獲りに来たんだなと思った」と振り返った。
判定結果がコールされた瞬間、家族はリングサイドで飛び跳ねて喜び。インタビュー中は娘2人がリングに上がった。子どもの声援は「もちろん届いていた。最後に行けたのは子どもの声のおかげ。妻の声も届いていた」と感謝。「今日は全然ダメダメな内容。相手が強かったのもあるけど、次はもっといい試合を見せられるように頑張ります」と成長を誓った。
初回KO劇9度を誇る阿久井は1月に岡山のジム初となる世界王座奪取を果たし、5月の東京D興行で初防衛に成功した。前日計量が行われた12日は長女・千聖(ちさと・4歳)ちゃんが地元・岡山で運動会。パパは参加できなかったが、計量後のリカバリー中に娘が踊る動画に目を細めていた。
この日のセミファイナルではWBC世界フライ級王座決定戦が行われ、同級1位・寺地拳四朗(BMB)と同級2位クリストファー・ロサレス(ニカラグア)が対戦する。14日にはWBO王者アンソニー・オラスクアガ(米国・帝拳)が同級1位ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)と初防衛戦。統一戦を描く阿久井は「今、心の中の自分は『練習しろ』と言っているので、頑張ります」と先を見据えた。
(THE ANSWER編集部)