全日本選手権初勝利を挙げ喜ぶ、巨人女子チームナイン(カメラ・軍司 敦史)

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 ◆第20回全日本女子硬式野球選手権第2日(12日、愛媛県松山市・マドンナスタジアムほか)

 クラブ、大学、高校の全国上位28チームが女子野球日本一を争う大会の1、2回戦が行われ、巨人の女子チームが2回戦に登場。広島のクラブチーム・はつかいちサンブレイズを10―4で破り8強に進出した。

 本格活動を始めた昨年、夏の全日本クラブ選手権を制し、2冠を狙って臨んだが初戦でまさかの敗退を喫した大会。2回に島野愛友利の適時打で先制したが、3回にエース・小野寺佳奈の暴投などで逆転され、いやな展開が続いた。

 しかし4回、無死一塁から主将・金満梨々那の同点適時打で元日本代表のサンブレイズ先発・坂東瑞紀を引きずり下ろすと、相見菜月の遊強襲内野安打で逆転、さらに東ここあの適時二塁打などが続いてこの回5点。小野寺はその後安定し、5回からは清水美佑、最終7回は日高結衣が抑えた。

 全日本選手権初勝利に、宮本和知監督は「去年のつらい思いを認めて、1年間、今日のために準備してきました。選手もこの試合にかける思いがありました」と選手をたたえ、清水は「この1年間、みんなの頭にあった1敗だった。一つ背負ってきたものがなくなったな」と、つかえがとれたナインの気持ちを代弁した。

 試合前の円陣では、中村柚葉が実家近くの神社・東京都杉並区の馬橋稲荷で入手した絵馬を披露して、悲願の2冠に向けて気合を注入した。9月に浅野翔吾が全員にお守りを渡してセ・リーグ優勝へ勢いを付けた験の良い神社の縁起ものに、ナインの士気も高まった。絵馬に中村が書き込んだ言葉は「全員で日本一を摑む」。昨年の悔しさを元にした今季のスローガン「摑む!!」がかなうまで、あと3勝だ。