討論会で撮影に臨む(左から)国民・玉木代表、公明・石井代表、立民・野田代表、自民・石破総裁、維新・馬場代表、共産・田村委員長、れいわ・山本代表(12日午後、東京都千代田区で)=西孝高撮影

写真拡大

 15日公示の第50回衆院選を前に、与野党7党首の討論会が12日、東京都千代田区の日本記者クラブで行われ、外交・安全保障政策や自民党派閥の政治資金規正法違反事件を受けた政治とカネの問題などを巡り、論戦が交わされた。

 石破首相(自民党総裁)は、日米地位協定の改定について「必ず実現したい」と意欲を示した。

 首相は、防衛長官だった2004年、米軍ヘリが沖縄県の沖縄国際大学に墜落した際、米軍が機体の残骸を回収し、県警が触れられなかったことが協定改定を目指すきっかけだったと紹介。「どんなに大変かはよく分かっているが、あきらめてはいけない」として、党内で議論を進める考えを示した。同じく持論であるアジア版NATO(北大西洋条約機構)についても党内議論を加速させ、「国会で問う」と語った。

 立憲民主党の野田代表は、核兵器禁止条約の締約国会議に「オブザーバー参加するべきだ」と求めた。首相は「核抑止力から目を背けてはいけない」としたうえで、「抑止力を認めながら、核兵器の廃絶が本当に両立可能なのか、検証は必要だ」と慎重な立場を示した。

 政治とカネを巡っては、首相は政党が議員に支給する政策活動費(政活費)について、「将来的な廃止は考えていかねばならない」と述べつつ、「現行法制では合法だ。抑制的に使い、違法的な使い方は一切しない」と強調した。公明党の石井代表は「廃止を目指す」と明言した。日本維新の会の馬場代表は、政治資金問題を受け、非公認となった自民前議員2人を公明が推薦したことについて、「国民の理解は及ばない」と批判した。

 野田氏は能登半島の被災地支援を巡り、政府が7回目の予備費使用を決定したことについて、「こんなに小刻みに対応するのは前例がない。乱用だ」と追及した。首相は「検証は行う」と述べ、経済対策を実施するため、衆院選後の補正予算案審議を求めた。

 討論会にはこのほか、共産党の田村委員長、国民民主党の玉木代表、れいわ新選組の山本代表が参加した。社民党の福島党首と参政党の神谷代表は動画で政策を訴えた。