中日・井上一樹新監督で「4年連続最下位」は回避できる!…立浪にはなかった「意外な才能」

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立浪の意思を継ぐ一番弟子が新監督に就任

中日ドラゴンズの井上一樹新一軍監督が就任について、10月10日に名古屋市内で会見を開いた。

中日は今シーズンまでの3年間、立浪和義氏が指揮したが、球団ワースト記録である「3年連続最下位」で終了した。たまりかねた立浪前監督は球団が退任を伝える前に、自らマスコミに監督を辞めると言い出すなど、混迷が続いていた。

その立浪氏に今年二軍監督として呼ばれたのが“立浪派閥”一番弟子で今回新監督に就任した井上一樹氏だった。

会見では選手、コーチとして在籍した中日に「恩返しをしたい気持ちです。勝っていけるチームに成り上がる」と決意を語った。

井上氏は鹿児島商高から投手として中日にドラフト指名を受けて入団したが、芽が出ずに早々に野手に転向。外野手として活躍し2009年に引退した。

球団OBは「立浪派閥の1人として何とかしたい気持ちは強いだろう」と語る。

「50代の一軍監督だから基本的には気合と根性の昭和ノリを大切にするところがあります。以前も中日二軍監督として指揮を執りチームを優勝に導いたけど、その時はスパルタ指導が目立っていました。

立浪前監督はもっとスパルタだったので『自分の考えを理解できる人材』として呼ばれたのだと思う。会見でも立浪イズムを継承する趣旨を語っていたのは同じ考えであることと立浪氏への忠誠心をアピールしたかった狙いがあるのではないか」

また、会見内で井上氏は、「立浪監督の心労が心配だった」と述べた。

その「心労」に大きく影響したというのがSNSでの炎上だ。立浪氏は監督としての手腕に関係なく、SNSの使い方に問題があると前出の球団OBは話す。

コミュニケーション能力は180度違う

「立浪前監督はかつて番組で共演したグラビアタレントからSNSの手ほどきを受けていたが、なかなかうまくならなかったようです。結局『俺はいまひとつやり方が分からんわ』と途中で投げてしまっていました。

それなのに自分のことが書かれた報道が出る度に記事にかかれていることやそれ読んだ読者の反応に人一倍気にしてしまい、監督在任中もエゴサーチすることはしょっちゅうでした。そのせいで気を落とすことがあったので、周りは心配になっていました。でもSNSを見るのはやめず、いくら注意しても効果は無かったそうです」

立浪氏が“炎上”し始めたのは、就任1年目が終わりかけの時期だった。

2022年から中日の監督に就いた立浪氏。2009年以来のユニフォームだったため、就任当時はその手腕を不安視する声もあった。それでも、中日の黄金期とも言える落合博満監督時代や星野仙一氏の第二次監督期を支えた一人ということもあり、期待は高まっていた。

しかし、就任1年目でチームは最下位に終わり、オフシーズンに阿部寿樹、京田陽太の両選手を放出したことで批判が集まった。この時期から、立浪は度々批判の的になり、SNSで“叩かれる”ことが増えたのだ。

叩かれることが増え、エゴサーチをしてしまう立浪氏は心身ともに疲弊してしまった。この弱さも実は中日の成績に影響したのではないだろうか。

一方の新監督・井上一樹氏には、その精神的な脆さを感じないという。

「約10年間、テレビ、ラジオ、新聞で評論活動をしていた井上新監督はメディア関係者の知り合いが多く、とにかく最新情報を集めるのが得意です。また、SNSとの付き合い方も非常に上手です。立浪さんがSNSで疲弊したようにはならないと思います」(球団関係者)

また、コミュニケーション能力にたけている井上氏は、その経歴ならではの指導をするのではないかと期待が高まっている。

「選手が興味ありそうな話題や趣味についてインスタグラム、TikTokで今の流行りをチェックしてから雑談することを心がけているといいます。だから立浪前監督と同じように厳しい指導をしても、選手側からすれば響き方が違うようです」(前出・球団OB)

ともすれば井上氏に対して「ゴマすりが上手い」印象を持つ中日OBも多いが、別の側面から見ると立浪前監督とは180度違う選手との接し方で今度こそ強竜復活を手がけてくれるのではないだろうか。

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