元日の地震と今回の豪雨により二重の被害を受けた石川県輪島市町野町の「もとやスーパー」。

住民に親しまれてきた町、唯一のスーパーを助けようと、大手の小売企業が支援に乗り出しています。

「もとやスーパー」は地震で被災しながらも、元日から1日も休まず営業を続け、住民の心のよりどころとなってきました。

しかし、9月の豪雨で店に土砂などが流れ込むなど、再び大きな被害を受けました。

もとやスーパー 本谷一知社長※9月22日取材当時

「正直、地震あって9か月経ってこれから売り場を広げようかって、中のショーケースの電気を確認して動いて、これからチラシ打ってって思っとった時なんです。これ(水害に)なったんで、もうちょっとこの場所では商売無理かなあと思ってます」

大手小売企業が支援を開始

間もなく3週間が経とうとしていますが、今も店の中には泥や流された器が。

こうした中、大手の小売企業が支援の手を差し伸べ、9日は店の前に張られたテントには、生鮮食品や生活必需品などが所せましと並びました。

すると本谷社長、太鼓を持ち出し祭りばやしで住民たちに開店を知らせます。

買い物を楽しむ大勢の人たち。応援スタッフを含め総出で出迎えます。

住民「町野町にお店がないということが一番辛い」

お客とのやり取り

「(卵は?)卵、来週持ってきます。野菜は、何がいいですか?」

買い物客たち

「いっぱい買いました・お金出して買う方が良いですね。炊き出しばっかりして貰っても・・きのどくな(申し訳ない」

「町野にお店が無いということが一番辛いので、皆さん集まってお話もしたり、たまに顔見る人とか懐かしくって、そういう広場があると本当に助かります」

大手小売業スタッフ

「色々お客様から要望も聞けましたので、次回以降に活かせたら良いと思っている」

もとやスーパー本谷一知社長

「水害後、初めてお金のやりとりして、実質上、初売りという形になるんですけど、どういう形で初売りを始めようかってずっと悩んでたんですね。そこを企業さんが協力してくれて販売するって形まで漕ぎつけられたっていうことで、またここから新しいちゃんとした商売っていうか、お金をやりとりする商売の始まりになればいいという事で本当に助かりましたね」

住民の心の拠り所「まちのまんなか もとやスーパー」

そして、住民たちが何よりも願うのは、もとやスーパーの復活です。

Qもとやさんのスーパーが復活すれば良いなっていう思いってありますか?

買い物客

「勿論ですよね、本当に。それが一番の復興、そこから始まって町が広がっていく感じになると思うんですよ」

二重の被災で営業再開を諦めかけていた本谷さんですが、多くの支援と励ましを受け、再び前を見据えようとしています。

もとやスーパー 本谷一知社長

「町野に無くてはならないお店と言って下さるので、そういう人たちの思いで今この活気が生まれて、助けてもらってますんで、そのみんなの色々な思いに対する責任というのは必ず果たさなきゃいけないってことで、必ずこの場所で水害対策をしまして灯りを灯し続けると。それが私の使命だと思います」

支援した大手の小売企業は住民たちの要望を聞きながら継続的に支援を続けていくということです。