とちぎテレビ

日光市で生産されているブランド米が、先月から東京・浅草のホテルで提供されています。環境にやさしく渋滞なしの鉄道で輸送し、多くの外国人観光客が利用するホテルで提供することで世界にもそのおいしさをアピールできるというさまざまな効果が期待されています。

今回の主役は日光産コシヒカリの「しゃりまんてん」。JAかみつがの日光エリアで生産される「しゃりまんてん」は、一等米の中でもさらに食味を厳選したもので、2023年産のエリア生産量5000トンのわずか0.5%、25トンしか選ばれないという希少価値の高いコメです。

「世界的観光地・日光」「日光連山の清らかな水『御神水』で作られた」など、ほかのブランドにはまねのできない優位性があるにも関わらず、登場した25年以上前からほとんど知られていないのが実情でした。

今回、東武ホテルが「しゃりまんてん」の希少価値に注目し、先月30日から浅草東武ホテルで提供することになりました。「しゃりまんてん」はネット通販以外で県外で流通したことがなく、さらに農家にとっては「生産したコメの行き先が見える」というメリットがありPR効果を期待しています。

輸送は東武鉄道の特急スペーシアの一角を使い、下今市駅で積み込んで浅草駅まで運びます。環境にやさしく渋滞もない安定的な輸送が可能だといいます。日光から東京まで1時間40分。輸送は週に1回行い、一度に120キロが運ばれます。

浅草東武ホテルでは「しゃりまんてん」をレストランで提供するすべてのご飯に使います。インバウンド客の増加で、宿泊客の95%が外国人というホテルにあって、おにぎりとして提供すると握っている様子も含めて外国人には好評です。

ホテルで一つの銘柄米を継続して使用するのはこれまで例がなく、今回のつながりを通して栃木の活性化につなげていきたい考えです。