NY市場サマリー(3日)ドル6週ぶり高値、利回り上昇 株下落
<為替> ドルが6週間ぶりの高値に上昇した。注目される4日の米9月雇用統計を前に、米経済が依然として堅調に推移していることがこの日発表の指標で明らかになった。中東情勢の緊迫化や港湾ストライキの影響を懸念した安全資産としての需要もドルを押し上げた。
さらに、ユーロ、ポンド、円など他通貨で各中銀のスタンスが比較的ハト派であることもドル支援材料となっている。
ドル/円は0.27%高の146.85円。一時は8月20日以来の高値となる147.25円に達した。
供給管理協会(ISM)が3日発表した9月の非製造業総合指数は54.9と、前月の51.5から上昇し、2023年2月以来、約1年半ぶりの高水準を付けた。
ドル指数は0.33%高の102.09。一時は8月19日以来の高値となる102.09を付けた。
4日発表の9月雇用統計は、米連邦準備理事会(FRB)の政策に影響を与える可能性のある次の主要な米国経済指標となる。ロイター調査によると、14万人の雇用増が予想されている。
CMEグループのフェドウオッチによると、市場は現在、11月の50ベーシスポイント(bp)利下げの確率を35%と見込む。1週間前の49%から低下している。
ユーロ/ドルは0.17%安の1.1026ドル。一時は9月12日以来の安値となる1.1008ドルまで下落した。インフレが鈍化する中、欧州中央銀行(ECB)が10月17日の理事会で利下げを行うとの見方が高まった。
英ポンドは急落。1.15%安の1.3114ドルとなった。一時は9月12日以来の安値となる1.3093ドルを付けた。
イングランド銀行(英中央銀行、BOE)のベイリー総裁が、インフレ圧力が弱まり続ければ英中央銀行はより積極的に金利引き下げに動く可能性があると述べたことを受けた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.36%下落して6万0687.91ドルとなった。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが上昇した。米供給管理協会(ISM)が3日発表した9月の非製造業総合指数が約1年半ぶりの高水準を付けたことで、11月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅は縮小するとの見方が浮上した。
米10年債利回りは5.3bp上昇の3.841%。2年債利回りは5.7bp上昇の3.705%。
2年債と10年債の利回り格差はプラス13.7bpと、2日終盤の13.6bpからほぼ変わらずだった。
11月FOMCで予想される追加利下げ幅の予想を巡り、市場はここ数日、行ったり来たりしている。CMEのフェドウオッチによると、25bpの利下げが行われるとの予想は指標を受けてわずかに上昇し、65%となった。50bp利下げの確率は35%と織り込んでいる。
週初から、中東情勢の緊迫化による安全資産への逃避で利回りが低下していたことの反動も出ている。3日目に入った米東海岸などでの港湾ストライキもインフレリスクにつながるとみられている。
カーバチュア・セキュリティーズの債券取引責任者トム・ディ・ガロマ氏によると、明日の雇用統計発表を前にした売りも出ていた。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.141%、10年物は2.213%だった。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 下落して取引を終えた。市場ではFRBが重要視する雇用統計の発表を4日に控え様子見姿勢が強まった。緊迫化する中東情勢も注目されている。
雇用統計は米金利の先行きを占う上で重要と考えられている。3日発表された新規失業保険週間申請件数は小幅に増加した。ハリケーン「ヘリーン」や港湾でのストライキが短期的に労働市場の状況をゆがめる可能性がある。
50パーク・インベストメンツのアダム・サルハン最高経営責任者(CEO)は「あすの雇用統計を控え、投資家は慎重になっているようだ」と指摘した上で、「過去2、3週間のような大幅な上昇後に利益確定売りが出るのは普通のことだ」とも語った。
投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は20.49と9月6日以来の高水準を記録した。
主要株価3指数は米供給管理協会(ISM)のデータを受けて一時、上昇する場面もあった。ISMが3日発表した9月の非製造業総合指数は54.9に上昇し、約1年半ぶりの高水準を付けた。
アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「今回も、サービス部門が経済の好調を維持する上で大きな役割を果たしている」と指摘。
一方で、「原油価格が上昇しており、港湾ストも混乱をもたらす可能性がある」と述べた。
中東情勢の緊迫化を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まる中、原油価格が高騰し、S&Pエネルギー指数は1.6%上昇した。
米東海岸とメキシコ湾岸の港湾労働者によるストは3日目に入った。モルガン・スタンレーのエコノミストは、ストが長引けば消費者物価が上昇する可能性があり、まず食品価格が反応する可能性が高いと指摘した。
個別銘柄ではビール大手コンステレーション・ブランズが4.7%下落。2025会計年度の売上高と利益の見通しを据え置いた。
来週末には米銀大手の業績発表を皮切りに第3・四半期の決算シーズンが始まる。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 翌4日に発表される9月の米雇用統計の発表を前に持ち高調整の買いが入り、反発した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比9.50ドル(0.36%)高の1オンス=2679.20ドル。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 中東情勢の緊迫化を背景に買い進まれ、3日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値(終値に相当)は前日比3.61ドル(5.15%)高の1バレル=73.71ドルと、中心限月の清算値ベースで8月下旬以来約1カ月ぶりの高値を付けた。12月物は3.48ドル高の73.17ドル。
イスラエル軍は3日までに、レバノン南部の行政庁舎や首都ベイルート中心部にあるイスラム教シーア派組織ヒズボラ関連施設を空爆。さらにイスラエルはイランによる1日の弾道ミサイル攻撃を受け、イランの石油施設などに報復攻撃を仕掛ける可能性があると伝わった。
産油国が集まる中東地域での紛争拡大がエネルギー供給混乱につながるとの懸念が拡大したことで原油に旺盛な買いが入り、相場は一時74ドル台に迫った。一方、リビア国営石油会社(NOC)は3日、国内の全ての油田や輸出ターミナルの 操業に対する不可抗力条項を解除した。石油輸出国機構(OPEC)加盟国である同国では、東西政府の対立を背景に8月下旬から石油の生産と輸出が停止していた。市場では、イランの石油供給がイスラエルによる攻撃を受け完全に途絶えたとしても、OPECにはその不足分をカバーできる十分な生産余力があるとの声も聞かれた。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 146.92/146.
94
始値 146.83
高値 147.18
安値 146.48
ユーロ/ドル NY終値 1.1031/1.10
33
始値 1.1042
高値 1.1046
安値 1.1009
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 101*05. 4.1807
50 %
前営業日終値 102*01. 4.1310
00 %
10年債(指標銘柄) 17時05分 100*07. 3.8458
50 %
前営業日終値 100*23. 3.7850
50 %
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*13.5 3.6276
0 %
前営業日終値 99*24.2 3.5530
5 %
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*19.5 3.7053
0 %
前営業日終値 99*23.6 3.6370
3 %
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 42011.59 -184.93 -0.44
前営業日終値 42196.52
ナスダック総合 17918.48 -6.65 -0.04
前営業日終値 17925.12
S&P総合500種 5699.94 -9.60 -0.17
前営業日終値 5709.54
COMEX金 12月限 2679.2 +9.5
前営業日終値 2669.7
COMEX銀 12月限 3246.4 +54.4
前営業日終値 3192.0
北海ブレント 12月限 77.62 +3.72
前営業日終値 73.90
米WTI先物 11月限 73.71 +3.61
前営業日終値 70.10
CRB商品指数 291.1476 +4.0143
前営業日終値 287.1333