マクドナルド 食材のこだわりなど紹介、パティは赤身率の調整、バンズは歯切れを良くする「麩切り」を実施
日本マクドナルドはこのほど、メディア向けに品質基準や衛生管理の取り組みなどを説明する「メイド・フォー・ユー」体験会を開催した。
ビーフパティの供給を行っているスターゼンと、バンズを供給しているフジパンが登壇し、それぞれ食材の品質やこだわりを説明。また、マクドナルドの総合研究施設「スタジオM」のキッチンで、ポテトとバーガーを調理する様子を公開した。
〈パティのこだわりは「赤身率の調整」と「解凍工程」〉スターゼンは1972年から、国内のマクドナルドにビーフパティを提供している。ビーフパティは、つなぎを一切使わない牛100%。牛肉の産地は主に、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ニュージーランド。加工する工場は、世界共通のグローバル基準を満たした工場のみと定めている。
製造工程では、特に「赤身率の調整」と「解凍工程」にこだわっているという。使用する素材によって赤身部分と脂肪部分のバランスは違うため、基準内に収まるように一日に何度も微調整を行う。味わいの均一化はもちろん、焼き上げる時間を統一するためにも必要な工程だという。また、解凍に関しては、高周波解凍機を使用。通常のマイクロ波と比較して、ムラのない解凍や、ドリップの流出を抑えることができるとしている。
店舗に届いたビーフパティは、専用のマシンで両面を同時に焼く。牛肉のうま味を閉じ込めるため、短時間で一気に焼き上げるという。工場でのパティ製造工程では味付けを一切行っておらず、店舗で焼き上げる際に塩コショウをしている。焼き上げたパティは、タイマーが付いた棚に格納され、決められた保存時間内のものを提供している。
日本マクドナルド パティを焼く様子
焼きあがったパティは時間内に提供している(日本マクドナルド)
〈バンズはあえてもっちり食感を抑える「麩切り」で歯切れを重視〉一方、フジパンでは、現在8種類ほどのバンズを供給している。小麦粉は、育った場所や獲った時期によって少しずつ違いがあるという。また、作るときの湿度や気温でも仕上がりが変わるため、分量のバランスや、こねる時間などを調整することで、品質をコントロールしている。
フジパンの担当者は、バンズの単体のおいしさではなく、バーガー全体でのバランスを重視していると話す。具体的には、パンの良さであるもっちりとした食感をあえて抑える「麩切り(ふぎり)」と呼ばれる工程を行っている。こうすることで歯切れが良くなり、パティや野菜などの具材と一緒に噛み切りやすくなるという。
工場でのバンズ製造の様子(画像は公式サイトより)
また、同じ種類のバンズでも、それぞれのバーガーに合った方法で調理している。「ハンバーガー」と「フィレオフィッシュ」では、共通のバンズを使用しているが、「ハンバーガー」ではトースターで焼いて香ばしく、「フィレオフィッシュ」に使うときは蒸してフワフワ食感にしている。
〈クルーの技能コンテスト「AJCC」を1977年から開催〉「メイド・フォー・ユー」体験会では、ポテトを揚げて袋に詰める様子などもメディアに公開した。オペレーションを行ったのは、マクドナルドが開催する「AJCC(オール・ジャパン・クルー・コンテスト)」の2023年大会で、「ポテトパーソン部門」のチャンピオンとなった佐々木陽菜さん(茂原街道古市場店)。
S・M・Lの各サイズの適正量が手の感覚でわかるそうで、実際にMサイズの容器によそったポテトを計ると、針はぴったりと適正量を指していた。また、ポテト1本1本の向きをまっすぐ揃えたり、ポテトが折れたりしないように心がけていると話す。
日本マクドナルド ポテト提供の様子
なお、技能コンテスト「AJCC」は、日本マクドナルドが1977年から行っている。マクドナルドを支える約19万人の店舗クルーの技術とサービスの向上、モチベーションの向上を図るために毎年開催しているという。累計参加者数は300万人以上にのぼる。
「ビックマック」を作る様子(総合研究施設「スタジオM」キッチンで撮影)