ESSE読者から寄せられたお悩みに、清水ミチコさんがお答え!

Q:自分自身が毒舌すぎて困っています。

自分自身が毒舌すぎて困っています。テレビを見ていてもツッコんでばかりだし、他人にも心のなかでいつもツッコミを入れています。このままでは、心の声が出てしまいそうで怖いです。

わしこさん(49歳・パート勤務)

A:的を射た毒舌はおおいに人を楽しませる

口が悪い人には面白い人が多いですよ。他人に対する心のモヤモヤや、言いにくいイラ立ちを、たった一言でズバリと言い当ててくれるのは、聞いただけでスッキリ爽快感すら共有させてくれます。

言葉って不思議ですよね。会社勤めの友人から、イヤな上司にチクリと言ってしまった部下の言葉が大きな救いになった、という話を聞いたこともあります。ハッキリ言うのは勇気もいるし、リスキーでもありますが。

ただ現象に対して毒舌がうまく当たってると救いになれますが、やみくもに全てをけなしまくってるような人は、「毒舌キャラ」みたいな顔をしながらも、やはりどうしたってやみくもですから、うまく言い当てられないため、表現がきついだけのワンパターンになりがち。笑いどころか引かれます。

私の若いころ会ったお笑い系のタレントさんを思い出しました。彼女は毒舌で売れたいようでした。昭和の時代、毒舌は目立つものだし、特に女性ではいなかったので穴場には見えました。しかし、もともと毒舌というものは自然に出てくるものであって、考えて作りこむと、とたんに聞いてる方もしんどくなるため、これを仕事の軸にしてしまうと、ものすごくまず本人がしんどい。毒もそう吐けまいて。

相談者の方の場合は、口が悪いという自覚があっての話なのですから、きっとうまく言い当てられる面白味があるのではないでしょうか。どこかで一度、人前でさりげに口にしてみたらいかがでしょう。

社会は口にこそ出しませんが、そういう人を心から求めているものです。求む空気穴。ぜひ無料で開けてやってください。私はちびまる子ちゃんの野口さんが大好きです。知ってるかな。社会からどこか背中を向けながらも本音をボソッと言い、一人でクックックと笑ってる感じ。あのクールさがたまりません。

あと、今はコンプライアンスで難しくなりましたが、あだ名もそうですよね。あだ名をつけるのがうまい人はツッコミの達人です。あなたがプロになろうというのなら毒舌も引きとめますが、そうでないのであれば口の悪さで、おおいに周りの人を楽しませてあげましょう。