「タクシーの中でギャン泣きし始めた幼い息子。年配の男性ドライバーに夫婦で平謝りしたけど...」(東京都・50代男性)
シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Kさん(東京都・50代男性)
その日、Kさんはまだ幼い息子を連れて、妻の実家に向かっていた。
電車とタクシーを乗り継いでいく行程で、とにかく「周りに迷惑をかけないように」と気を使っていたのだが......。
<Kさんの体験談>
専門学校1年生の長男、高校1年生の次男、小学校5年生の三男の、"ダンゴ三兄弟"の父親です。
だいぶ子育ても楽になってきたこの頃、長男がまだ1〜2歳だったころにタクシーに乗った時の事を、時折、思い出します。
周りに迷惑をかけないように、必死で...
妻の実家は近郊の千葉。帰省するときは、電車とタクシーを使っていました。
電車に乗るときには、幼い長男が泣き出さないかヒヤヒヤ。寝ていたり、電車で外の風景に気を取られていたりして、静かにしていればいいのですが、何かのタイミングで泣き出してうるさくすると大変です。
電車では次の駅に着くまでは中に居続けなくてはならないため、周りからの視線が文字通り刺さるように感じられ、いかにして泣かせないか苦労しました。
スマホやタブレット育児はよくないとは思いつつも、泣いて迷惑をかけることと天びんにかけると、子供が夢中になれる動画などを見せられるそれらは手放せません。今思えば、「いかに周りに迷惑をかけないか」ということに随分と神経をすり減らしていていました。
その日もそんな風に乗っていた電車から降りて、タクシーに乗りました。するとそこで、まさかのギャン泣き......。
妻と2人でいくらなだめすかしても泣き止まず、夫婦揃ってご年配の男性ドライバーさんに「すみません、すみません」を連発してしまいました。
車内でギャン泣きする息子。謝る夫婦。タクシーの運転手が言ったのは...
しかし、運転手さんはニコッと笑って言うのです。
「いいの、いいの。子供は泣くのが仕事なんだから、さ」
その時、私の目から涙がこぼれてきました。
そしてまた、自分自身がどれほど周囲に対して緊張し、肩身の狭い思いをしていたのか、改めて気がつきました。
今も、このメールを書きながらあの時を振り返り、涙がこぼれてきています。
もう顔もすっかり忘れてしまったのですが、あの時のタクシーの運転手さんの「いいの、いいの。泣くのが仕事」という言葉に本当に救われました。
ありがとうございます!
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」「あの時はごめんなさい」、聞かせて!
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