「快速 うれしート」が設けられる225系(JR西日本プレスリリースから)

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JR西日本は8月、有料座席サービス「快速うれしート」(うれしート)の拡大を発表しました。現在、うれしートは大和路線、おおさか東線の一部列車に設置されていますが、10月7日よりJR神戸線と奈良線に新設します。

【図解】「うれしート」のエリアはここに…最後部車両の後ろ寄りに設置されます

神戸線では既に一部の新快速で有料座席サービス「Aシート」が導入されています。つまり、神戸線は新快速Aシートと快速うれしートが重複する唯一の路線となります。

10月から神戸線にも拡大される「うれしート」

「うれしート」は昨年10月から大和路線とおおさか東線でスタートしたサービスであり、最後部車両後ろ寄りの座席を指定席とするものです。有料エリア(指定席)と一般エリアの間には暖簾で仕切られています。

うれしートが導入される神戸線の快速は平日運行の網干・姫路始発大阪行き4本です。いずれも、始発駅を平日朝6時〜7時台に発車し、姫路駅発は6時32分、6時50分、7時09分、7時29分、終着駅の大阪駅にはそれぞれ8時20分、8時40分、8時58分、9時12分に着きます。

「うれしート」付きの快速4本は通常の快速と異なり、快速停車駅の舞子駅、垂水駅、須磨駅を通過します。3駅通過の快速は計上り8本が運行され、このうち4本は大阪行きです。つまり、3駅通過の快速大阪行き全列車にうれしートが設定される、というわけです。

うれしート付きの快速は東加古川駅からの場合、神戸駅まで先着します。1本を除き、神戸駅で後続の新快速に抜かされ、東加古川駅から三ノ宮駅までの所要時間は45分前後です。

うれしートの料金は通常期530円・閑散期330円です。一方、「快速うれしートチケットレス指定席券」ですと、一律300円で乗車できます。

2つの有料座席サービスが併存する神戸線 

神戸線では一部新快速に有料座席サービス「Aシート」が導入されています。導入されている新快速は1日6往復です。

うれしートは一部座席エリアを指定席とするものであり、座席は通常の転換クロスシートです。一方、Aシートは1両全体を指定席車両とし、車内には4列(2列+2列)のリクライニングシートが並びます。つまり、同じ有料座席サービスとはいえ、新快速「Aシート」と快速「うれしート」は大きく異なります。

Aシート連結の新快速は平日と土休日で運行時間が異なります。平日朝は姫路発5時58分、6時46分、7時34分です。Aシートの料金は一律840円、チケットレス指定席券は一律600円。事実上、Aシートの料金はうれしートの2倍です。

姫路駅発平日朝上り(5:58〜7:34)の列車本数は計21本。このうち、座席指定(特急、新快速Aシート、快速うれしート)がある列車は計8本となります。なお、7時34分発の新快速は三ノ宮駅に8時16分、大阪駅に8時43分に到着します。

Aシート、うれしートが想定している乗車時間は?

「Aシート」連結の新快速の運行区間は網干・姫路〜草津・野洲間、うれしート付き快速は網干・姫路→大阪間です。車内設備や料金などを総合して考えると、Aシートは京阪神間を含んだ乗車時間1時間超、うれしートは快速停車駅から神戸方面・大阪方面までの乗車時間30〜40分程度を想定しているように思います。

今回、うれしートは京都線・琵琶湖線には導入されませんでしたが、今後導入するか注目したいところです。 

(まいどなニュース特約・新田 浩之)