東山紀之社長(C)日刊ゲンダイ

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 ジャニー喜多川氏らによる連続児童性加害で、旧ジャニーズ事務所が性加害を認めてから1年が経った。被害者への補償に全力であたるとしたスマイルアップ社の東山紀之社長(57)は妻でタレント木村佳乃(48)らを連れだって、メジャーリーガー大谷翔平の試合を現地観戦していた。

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 そのシートは、カリフォルニア州アナハイムのエンゼルスタジアムのネット裏にあり、一般にはあまり出回らない超VIP席で、1シーズン25万ドル(約3600万円)と週刊女性は報じた。東山社長は両ひざに肘をつき、前のめりで白い歯を光らせていた。佳乃夫人とスタートエンターテイメント社の福田淳社長はドジャースのレプリカユニホームを着て観戦していたそうだ。

 スマイル社は8月30日時点で「被害を申告された方のうち、約96%の方に補償に関してご連絡済みであり、約94%の被害者の方に補償金をお支払い済み」とのメッセージをHPにあげた。しかし1010人としていた被害告発者は996人に下方修正。「94%」は補償内容を通知した520人のうち、489人に補償内容の支払いを行ったという数字である。

《なんとか1年で補償が完了した流れにしたいのか 分母が違うって事がわからないようにうまく目立つ数字だけ比率いれて》

 などと、これには元所属タレントの飯田恭平氏からも批判の声があがる。飯田氏は《完全に馬鹿にしてる ちゃんと内容見たらわかるだろ》と指摘しているが、東山社長ら幹部たちには馬耳東風か。

 ベテラン芸能リポーターの平野早苗さんが言う。

「東山さんは夏休みで家族旅行を楽しまれたのかもしれませんけど、カメラに映り込むのが分かっているような席で観戦されたということでしょうか。視聴者もマスコミも気づきますし、被害者の方々の目に留まる可能性も高いですよね。それを知った上での行動で、報道されるのも想定内だったとすれば、もう少し配慮の気持ちはないのかしらと思ってしまいます」

 スマイル社が在籍や被害の確認ができなかったとして、補償の対象外とした被害申告者だけで203人もいる。

「彼らが、ジャニー氏から受けた心身の傷は一生のものです。今も抱え続けているんです。東山さんもその行為を『鬼畜の所業』と認め、被害者の声を何でもしっかりと受け止めて法を超えた救済をしていくと東山さんは宣言されました。その後、被害者たちと面談したそうですが、ただ聞くだけになっていませんか? 寄り添って行動を起こしている様子が伝わってきません。ご自分の発言をもう一度、思い出してもらいたいです」と平野さんは続けた。

 補償対象外とされた203人のひとり、福岡県の会社経営、上田和美氏(63)はその後、ジャニー氏から贈与されたネクタイやブレザー、さらに1万円札を証拠として提出した。

弁護士事務所と共にスマイル社、さらに東山氏宛てに内容証明で送ったのですが、渋々弁護士からメールがあって『物を見るだけではつながりを確認できない』『スマイル社の意向も確認しましたが、指紋鑑定の必要性を認めない』とのことでした。その後は何の返答もなく、東山氏からは一報もありません。実際に被害者と会うこともせず、全てを弁護士任せで『金を払えば解決、昔のことは分からない、確認できない』などと言うのですからおぼつかないです。もう、調停に進むしかないかと思っています」

 そう言った上田氏に、東山社長のメジャーVIP観戦報道を向けてみると「その件については、あえて触れずにいたのですが」と言葉を詰まらせた。知ってはいたものの、到底理解できず、感想を放置していた様子で、こう呟いた。

「もう終わったと思っているのでしょうか」

 こうした被害者たちのことなど放置し、被害者救済に動いた「当事者の会」も解散したことを受け、東山社長ら旧ジャニーズ幹部や関係者たちが胸をなでおろしているとすれば、言語道断だ。

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「補償は終わった」と言わんばかりの態度を取り続けるスマイルアップ。●関連記事【もっと読む】喜多川氏からの性被害「当事者の会」が解散…旧ジャニーズに今後も求められる誠意と補償…では、一定の成果を上げて解散した「幼児者の会」の元会員らについて伝えている。