平安神宮の南神苑に展示されている京電の車両(京都市左京区)

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 日本初の路面電車として知られる京都電気鉄道(京電)で使われた重要文化財の車両「京都電気鉄道電車(京都市交通局二号電車)」が、平安神宮(京都市左京区)の南神苑から応天門西側へ移される。2025年の同神宮創建130年記念事業の取り組みで、移設先に建屋を新設して本体を修理し、25年度中の無料公開を目指している。

【写真】ちぎれて落ちてしまった吊り革や、シート、木造の車内の意匠も廃車当時のまま(クラウドファンディングページより)

 車両は明治時代末期の1911年の製造で、現存する路面電車の車両で最も古い。61年の京都市電北野線の廃止まで使われた後、平安神宮が払い下げを受けた。現在は有料拝観エリアの南神苑で展示されている。

 平安神宮によると、2024年度中に応天門西側に建屋を設け、車両を移す。25年度には車両を修理し、「26年3月の130年記念大祭に間に合わせたい」(同神宮担当者)としている。移設と修理の費用は国庫補助のほか、10月まで行うクラウドファンディングなどで寄付を募ってまかなう。

 同神宮は1895年の平安遷都千百年紀念祭と第4回内国勧業博覧会に合わせて創建され、両行事の来場者を市電の前身である京電が運んだ縁がある。

(まいどなニュース/京都新聞)