東京五輪のPR映像覚えてる? スクランブル交差点で開脚ジャンプの体操女子高生 土橋ココさんが現役復帰を発表
2016年リオ五輪閉会式での「フラッグハンドオーバーセレモニー」。故安倍晋三首相(当時)がマリオ姿で出演するなど、喝采を呼んだプロモーション映像は、ひとりの女子高生が渋谷のスクランブル交差点で開脚ジャンプするシーンから始まりました。一躍時の人になったのが当時高校2年生だった土橋ココさん(24)でした。現在は体操教室やさまざまなスポーツのクラスなどを展開している企業「おさるの森」(兵庫県姫路市)のインストラクターである土橋さんは25日、体操女子選手としての現役復帰を発表しました。
土橋さんは2000年3月2日、愛知県生まれ。名古屋経済大学市邨高校から武庫川女子大学へ進みました。体操選手としては2015年の全国高校総体で個人総合優勝、2018、2019年全日本学生選手権大会:団体準優勝/平均台準優勝などのキャリアがあります。2022年に現役を引退しました。
新たなロールモデルを目指す
現役復帰を決意したのは、「日本の体操女子界を変えたい」と強い思いから。現在、日本体操女子選手の多くが10代や20代前半で引退しており、今回のパリ五輪でも日本代表として活躍した選手たちは10代でした。しかし、パリ五輪でアメリカ代表のシモーネ・バイルズ選手が27歳で金メダルを獲得したように、20代になっても体操選手としての伸びしろはあることが示されました。「20代になっても体操選手としての成長の可能性は十分にあると思います。身体的なピークが過ぎたとされる年齢でも、技術の向上や筋力の強化によって、さらなる高みを目指すことができる」と語ります。
「選手が挑戦し続けられる環境を作りたい」とも。「現在の日本体操女子の現実として、20代でも選手を続けたいという思いがあっても環境が用意されておらず、なくなく引退するという周りの人を多く見てきました。そんな状況を変えていきたい」と語る土橋さんは「私自身が競技の場で再び結果を出すことで、他の選手たちにも希望と勇気を与えたい。まずは私がその一歩を踏み出します」と抱負を語ります。
4年後のロス五輪を目標に
土橋さんは、4年後のロサンゼルスオリンピック出場を最大の目標に掲げ、その第一歩として、全日本選手権への出場権を獲得するために「全日本体操個人総合選手権女子トライアウト」に挑戦します。今後、おさるの森でインストラクターとして勤務しながら、現役選手としての活動も並行する見込みです。