軽い気持ちでバーベキューをすると法的問題に!?

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 夏休みシーズン真っただ中。夏のレジャーの一つとして、家族や友人たちとバーベキューを楽しもうと考えている人も多いのではないでしょうか。この時期、河川敷などでバーベキューをしているグループを見かけることがありますが、これについてトラブルを懸念する人が少なくないようで、「バーベキューって河川敷でやっていいんだっけ?」「公園は許可を取らないとダメなのでは」「ゴミが放置されてることがあって迷惑」といった声が聞かれます。

 芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士によると、そうした場において軽い気持ちでバーベキューを行うと、法的問題に発展する可能性があるようです。レジャーシーズンに注意が必要な「河川敷」や「公園」でのバーベキューにまつわる法的問題について、詳しくご解説いただきました。

違反するとペナルティーが課せられる可能性

 夏の行楽シーズンに「バーベキューを楽しみたい」と考えている人は多いと思いますが、バーベキューをする場所として「河川敷」や「公園」を考えている場合、法的な問題に関わる可能性があります。

 なぜなら、河川敷や公園でバーベキューをすることは、法律および各自治体の条例によって禁止や制限をされている場合が多いからです。そのため、禁止や制限に従って、必要な場合には許可を得て行う必要があります。

 バーベキューを禁止・制限している法律や条例としては、軽犯罪法、自然公園法、都市公園法、廃棄物処理法、消防法、火災予防条例、その他条例による規制、私有地の所有者による禁止などがあり、非常に多くの規制や制限が設けられています。

 特に、都市部の煙臭や騒音、ゴミについては各自治体の条例によって禁止や制限があり、条例で火気使用が禁止されている場所もあります。

 こうした法律や条例に違反すると、懲役や罰金といったペナルティーが課せられる可能性もあります。利用場所や方法の制限、事前許可の要否について、その場所を管理している各自治体に確認してから利用する必要があるでしょう。

 例えば、東京都狛江市の条例では、多摩川河川敷環境保全区域におけるバーベキュー(火気を用いて食品を調理する行為)と花火が禁止されており、違反行為をしようとする者に対し、市長は中止を勧告できるとともに、違反者に対して2万円以下の過料(行政罰)を科すことが定められています。背景には、バーベキューの後に捨てられていくゴミや、夜中の騒音などによる苦情が後を絶たなかったこと、また河川敷に大量に不法投棄されたゴミが悪臭やカラス発生の原因となっていることがあるとしています。

 また、京都府では、鴨川等の一定の区域(河川敷を含む)において、河川法の占用許可がない限り、バーベキュー(火気を用いて食品を焼く行為)が条例で禁止されており、中止命令に従わない場合は5万円以下の罰金が科されることになっています。

バーベキューの煙臭・騒音で損害賠償請求も

 一方、河川敷や公園の近所に住む人が、バーベキューの煙や騒音などで実害を被るケースもしばしば見受けられます。

 仮に、河川敷や公園でのバーベキューが原因で、近隣住民が煙臭・騒音によって実際に損害を被り、その損害や因果関係を証明できる場合には、民法の「不法行為」に基づき、過失が認められるバーベキューを行った者に対して、発生した損害の賠償を請求することができます。

 また、中には「自宅の庭で行うバーベキューなら問題ないだろう」と考えている人もいるかもしれません。

 自宅の敷地内でのバーベキューは一見、自由で無制限と思われますが、都市部や住宅密集地では、煙臭や火事の危険、騒音の問題が発生するので、市町村の条例で禁止されている場合が多く、注意すべきです。そもそも、マンションなどでは管理組合が火の扱いを禁止している場合がほとんどです。通報されてしまうと、軽犯罪法違反となる可能性もあるので、くれぐれも注意しましょう。