12歳少女への性的暴行で服役した蘭選手に“野次”…ペア選手は思わず本音「彼は本当に良い人。過去2年は何もない」【パリ五輪】

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ビーチバレーの会場でブーイングを受けたファン・デベルデ。(C)Getty Images

 やはり容赦のない厳しい声が向けられた。

 批判の的となったのは、現地時間7月28日に行われたパリ五輪・男子ビーチバレーの予選ラウンドプールBに登場したオランダのスティーブン・ファン・デベルデだ。マシュー・イマーズとのコンビでイタリアのアレックス・ランギエリとアドリアン・カランブラ組と対戦したのだが、そこ会場で痛烈なブーイングを受けたのだ。

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 ファン・デベルデがブーイングを浴びるのも無理はない。19歳だった2014年にFacebookを通じて知り合った当時12歳の英国人少女に対して性的暴行に及び、逮捕。16年に英国の裁判所から禁固4年の実刑判決を受けていたのだ。

 英国からオランダへ身柄を引き渡されたファン・デベルデは、わずか1年の服役を経て釈放。すぐさま競技復帰を果たし、18年からは国際大会にも出場。今大会の参加に向けてもオランダ・オリンピック委員会から「選手村への入村禁止」と「メディアとの接触禁止」という措置が設けられている。

 大会参加を認めたオランダ・オリンピック委員会は「彼は釈放後ずっとカウンセリングを受けており、専門家も再犯の可能性はゼロだと断言している」と擁護。ファン・デベルデの更生ぶりをアピールしていた。しかし、いずれも“苦肉の策”という感は否めず、先の試合でも野次の対象となった。

 開幕前から注目を集めていたファン・デベルデ。彼に対する現地ファンの反応は、各国メディアでも大々的に伝えられた。英公共放送『BBC』は「ファン・デベルデが登場し、名前を紹介されると歓声ももちろんあったが、ブーイングも入り混じっていた」という会場の異様なムードを紹介。英国内で「別の誰かを選ぶなどして参加させるべきではなかった。彼の参加はオリンピック精神にも反している」という反発が起きたことを紹介した。

 ペアを組む“相棒”の胸中も複雑だ。イマーズは『BBC』などの取材に対して「彼はもう罰を受けたんだ」と指摘。そして「スティーブンは本当にいい人間だ。そして、僕は彼と2年間も一緒にプレーしたが何もなかったんだ。それでもいろいろと言われるのはオリンピックが大きい大会だからだ。過去にやってしまったことはもちろん良いことではないが、今は試合に集中したい」と“本音”も漏らしている。

 セットカウント1-2で敗れたこのイタリアペアとの一戦と同様に今後も“逆風”は続くと予想される。そんな厳しい状況下でファン・デベルデがどのようなパフォーマンスを見せるかは気になるところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]