激レア「UFO型信号機」突然の消滅に惜しむ声「一度見たかった」「残念」なぜいま急に? 保存先は? 宮城県警に聞いてみた
7月半ばに「今月中に消滅」のニュースが
国内でも珍しい「UFO型信号機」が最後まで生き残っていた宮城県仙台市で、いよいよ撤去作業が始まっています。
全国からも惜しむ声が上がっていますが、なぜ今撤去に至ったのでしょうか。また、撤去後はどうするのでしょうか。
通常の信号機は、十字路の場合、交差点の4つの角に支柱が立てられ、4方向からそれぞれ車両用と歩行者用信号が見えるように設置されています。
【画像】なんだこれ!? これが実際の「あまりにも異形すぎる信号機」です(22枚)
これに対し、いわゆる「UFO型信号機」というのは、4方向の信号機が1辺ずつ繋がって正方形となり、交差点中央の上空に吊るされています。
歩行者用信号は、その正方形のそれぞれ内側下面に一体となっていて、各面に赤と青が横並び配置されています。
空中に全身ライトの機械が浮かんでいるような独特の見た目と、日本に数例しかないレア度から、ファンの間では話題になっていました。
実はこの構造は現場状況を考慮したもので、信号支柱を四方に立てるスペースが確保できなかったことから、1本だけの支柱で4方向をすべてまかなうための「苦肉の策」であったようです。
そうした「UFO型信号機」も老朽化が進行し、数年前から、近々撤去されるという方針が伝えられていました。
そんななか、2024年7月半ばになって突然、「今月中にUFO型信号機はすべて撤去される」という報道が行われました。すでに現場では撤去作業が行われた場所もあり、「突然の別れ」にショックを受けているファンもいます。
なぜ7月中というこのタイミングで撤去されることになったのでしょうか。宮城県警交通規制課は「老朽化が進行していて、古く特殊な型であることから、交換部品も確保が難しい状況です。故障してから慌てて新しい信号機を用意するというわけにもいかないので、以前から撤去する方針でした」としたうえで、以下のように話します。
「県警では毎年、管内の信号機について、維持補修や撤去などの計画を立て、年度はじめに業者へ発注し、順次作業を進めてもらいます。今回の当該信号機撤去も同様で、年度はじめに他の補修案件とまとめて発注し、業者が決まって、準備を経て、現場で作業が始まっていくのが、今のタイミングなのです」
ところで、全国でも珍しく、ファンも多いUFO型信号機ですが、撤去したあとにどこかで保存したり、展示するという計画はあるのでしょうか。
「そのような計画は、現時点でありません。通常通りであれば、撤去された信号機については、そのまま廃棄処分となっていきます。自治体などから『どうにか残せないものか』といった相談も、県警が把握しているなかでは特にありません」
突然の別れのように、「今月中に撤去」の知らせがニュースで舞い込んできた形ですが、県警では撤去についての事前発表はしていません。いっぽうで工事を行うにあたっては、付近住民に「このような工事が近々あります。騒音や交通規制などでご迷惑をおかけします」といった告知が行われるため、そこではじめてUFO型信号機の実際の撤去タイミングが白日の下になった形です。
先述のとおり、UFO型信号機の撤去の方針についてはすでに数年前から明らかになっており、消滅が時間の問題であることは広く知られていました。
SNSなどでも「気になっていた信号機、もう見れないのか」「時代とはいえつらい」「突然の別れすぎる。いつか写真を撮りに行こうと思っていたのに」と残念がる声も上がっていますが、やはりこういったお別れは「土壇場」ではなく、可能な限り早めに済ませておくのが得策と言えるかもしれません。