【間もなく土用の丑の日】「国産ウナギ」「中国産ウナギ」にはどんな違いがあるの? 管理栄養士に聞く
今年の「土用の丑(うし)の日」は、7月24日と8月5日です。両日のうち、いずれかの日にスーパーでウナギを買ったり、飲食店でウナギを食べたりする人は多いと思います。
ところで、スーパーに行くと、「国産」「中国産」と表示されたウナギが売られていますが、国産ウナギと中国産ウナギは何が違うのでしょうか。管理栄養士の桜井このさんに聞きました。
中国から輸入した稚魚を日本で育てた場合も「国産」と表示
Q.「国産ウナギ」と「中国産ウナギ」のそれぞれの定義について、教えてください。
桜井さん「中国で生まれたウナギの稚魚を養殖して、それを日本に輸出した場合は『中国産ウナギ』と表示されます。一方、中国から輸入した稚魚であっても、日本で養殖されたものには『国産ウナギ』と表示されます。つまり、稚魚が生まれた場所ではなく、養殖された場所が産地として表示されるということです。
ちなみに、ウナギ店などでは産地を表示する必要はありませんが、スーパーなどで加工販売する際は産地の表示義務があります」
Q.産地によって、どのような違いがあるのでしょうか。
桜井さん「実は、日本には『二ホンウナギ』という日本の在来種がいるのですが、中国産のものは『ヨーロッパウナギ』という別の個体であることが多いんですね。両者ともに味に大きな違いがあるわけではないのですが、日本と中国とで何が大きく異なるのかというと、養殖の方法です。
日本ではビニールハウスの中にプールを設置し、一定の温度管理と徹底した泥抜きのもと、泥臭さがなく品質の高い個体を養殖しています。
一方、中国では、『路地池』と呼ばれる池に放流させてのびのび育てることで、皮が厚く大きな個体を育てています。以前は泥臭さや品質が気になると言われていましたが、近年は養殖の技術が向上し、おいしいものも増えてきているようです」
Q.では、国産と中国産とでは、調理方法や保存方法に違いはありますか。
桜井さん「中国産であっても品質が向上していることで、今は産地によって大きく変えなければならないことはないと思います。
ただ、産地にかかわらず、冷凍で売られているウナギを解凍するときは、温め過ぎに注意が必要です。冷凍ウナギを解凍するときは、沸騰したお湯で湯せんをすると温め過ぎを防ぐことができ、ふわふわの食感をキープしやすくなります」
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ウナギの場合、稚魚が生まれた場所ではなく、養殖された場所が産地として表示されることが分かりました。中国産のウナギは国産のウナギに比べて、肉厚で皮も厚めということなので、スーパーでウナギを購入するときは国産と中国産を見比べてみてはいかがでしょうか。