門前町の“門仲”を楽しむには散歩が一番!富岡八幡宮、深川不動堂はもちろんのこと、偉人ゆかりの地もあって、見応えあり。地元の名物メシやおやつの立ち寄りスポットも巡れば、楽しいさんぽ時間が過ごせますよ。

東京の門前町の“門仲”(もんなか)こと「門前仲町」(もんぜんなかちょう)を楽しむには散歩が一番!富岡八幡宮、深川不動堂はもちろんのこと、偉人ゆかりの地もあって、見応えあり。地元の名物メシやおやつの立ち寄りスポットも巡れば、楽しいさんぽ時間が過ごせますよ。

(1)『富岡八幡宮』歴史ある石碑や銅像が見られる

創建は寛永4(1627)年。御神託により当時永代島と呼ばれた地に御神像を安置したのが始まり。徳川家の手厚い保護を受け、以来「深川の八幡様」として親しまれている。

江戸幕府の許可を得て境内で初めて勧進相撲を行った神社で、後に大相撲に発展。力士ゆかりの石碑も見どころだ。

『富岡八幡宮』江戸期最後の横綱・陣幕久五郎が発起人となり明治33年に建立された横綱力士碑。高さ3.5mの迫力。第73代照ノ富士まで歴代横綱の名が刻まれている。正面参道には大関力士碑も

夏の例大祭「深川八幡祭り」は観衆が担ぎ手に清めの水を掛けるので「水掛け祭り」とも。境内には日本一といわれる黄金神輿の展示もある。毎月1、15、28日の月次祭は多くの人で賑わう。

『富岡八幡宮』荘厳な御本殿

[住所]東京都江東区富岡1-20-3
[交通]地下鉄東西線ほか門前仲町駅1番出口から徒歩3分

【ここで立ち寄り!】『深川宿 富岡八幡店』

『深川宿 富岡八幡店』

深川めしの名店の支店が、富岡八幡宮の境内にある。味噌仕立ての汁かけご飯「ぶっかけ」、醤油仕立ての「炊き込み」の2種類を半分ずつ楽しめる「辰巳好み」(2365円)をぜひ。

(2)『江東区古石場文化センター』展示で巡る小津安二郎の足跡

「小津安二郎紹介展示コーナー」(1階)は生誕100年を記念して平成15(2003)年に開設。明治36年に現在の深川1丁目で生まれた小津は、下町風情漂う故郷の風景を映画の舞台としてもたびたび登場させた。

展示では生涯をまとめた年表や写真、実際に使っていた私物や映画の資料など貴重な品々を紹介。海外でも評価の高い日本映画界の巨匠を身近に感じられる。

『江東区古石場文化センター』ゆかりの品々を展示。深川との繋がりを紹介する映像も

[住所]東京都江東区古石場2-13-2
[営業時間]9時〜22時 ※展示コーナーは〜21時
[休日]第1・3月 ※祝日は開館、年末年始
[交通]地下鉄東西線ほか門前仲町駅2番出口から徒歩10分

【ここで立ち寄り!】『TSUMUJI Monnaka』

『TSUMUJI Monnaka』

今年3月、深川公園前にできた1棟型フードホール。各フロアに店舗があり、1階『cheese’n’cup』のひとつまみサイズの「とろふわ焼きチーズタルト(350円)が美味。お隣『POND』のドリンクと合わせてまったり休憩を。

(3)『深川不動堂』参道から楽しい“深川のお不動様”

「深川のお不動様」こと深川不動堂は、千葉県成田市にある大本山成田山新勝寺の東京別院。開創は元禄16(1703)年、成田山の御本尊を江戸に奉持し特別拝観したことに始まる。

堂々たる旧本堂は江東区内最古の木造建築といわれており、区の指定登録文化財でもある。参道には甘味屋や飲食店などが並び、下町ならではの風情は観光スポットとしても人気。

『深川不動堂』

[住所]東京都江東区富岡1-17-13
[交通]地下鉄東西線ほか門前仲町駅1番出口から徒歩2分

見どころ満載の社寺と偉人の生きざまに触れる

ワタクシ肥田木、毎日朝から晩まで酔っぱらっている訳ではございません。たまにはシラフで歴史散歩。

まずは「深川の八幡様」と親しまれる町の“顔”、江戸初期に創建された「富岡八幡宮」だ。当時、周辺に広がっていた砂州を埋め立てて、境内や氏子の居住地を作ったのが門前町としての始まりとか。今に続く門仲発展の基礎を築いた神社なのである。

夏の祭礼は江戸三大祭りのひとつとして有名だが、実は江戸勧進相撲発祥の地でも知られているとご存じ?境内には歴代横綱の名が刻まれた横綱力士碑などゆかりの石碑も。

ビビビと目が合ったのは未来のダーリン……じゃなくて近代日本地図の父、伊能忠敬の銅像。50歳を過ぎて門仲に移住した忠敬は天文学などを勉強し、測量旅行の前は富岡八幡宮で安全祈願していたそう。

『富岡八幡宮』旅立ちの姿を表現した伊能忠敬銅像

参拝後はすぐ横の『深川宿』で地元名物「深川めし」を味わうのも一興。

お次は少し足を延ばして名監督「小津安二郎紹介展示コーナー」がある「江東区古石場文化センター」へ。深川で生まれた小津は、下町情緒や家族の在り方など普遍的なテーマを独自の作風で描いた。

常設展示では子ども時代に描いた絵や習字(これが上手!)、映画の貴重な資料も。肥料問屋だった実家の小津家が荷物を運ぶために架けた小津橋も近くにあり。

『江東区古石場文化センター』子どもの頃に描いた繊細なタッチの絵や書も

駅方面に戻り、成田山の御本尊を出開張したことに始まる「深川不動堂」にお参り。こちらは通称「深川のお不動様」だ。参道の風情がいいねえ。お、角打ちも。そろそろ喉を潤したい!身悶える私と同志のアナタなら、この後に立ち飲み巡りはいかが。これぞ学んで飲んで1日満喫コースです!

撮影/小島昇、取材/肥田木奈々

2024年7月号

※2024年7月号発売時点の情報です。

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