トヨタから新型「ミニランクル」登場か!? 名前は「ランドクルーザーFJ」か? 250系に続く新モデルはレトロデザイン? いつ発売?
「手に入れやすいランクル」が準備中!?
トヨタ「ランドクルーザー」シリーズに、新たな仲間が加わるかもしれません。「ミニランクル」とウワサされる新型車の現状を整理しました。
どのようなカタチで登場するのでしょうか。
2024年4月、トヨタ「ランドクルーザー250(以下、250系)」が発売されたことで、「ランドクルーザー300(以下、300系)」「ランドクルーザー70(以下、70系)」と合わせた「ランクル3兄弟」が出そろいました。
【画像】「えっ…!」 これが新「ランクルミニ」です。 画像を見る(56枚)
いずれも、「ランドクルーザー」の名に恥じない高い悪路走破性能を持っている一方、高級SUVとして性格を持つ300系、ライトデューティ向けの250系、そしてヘビーデューティー向けの70系と、それぞれのポジションはしっかりとすみわけられています。
ただ、それぞれの価格を見ると、300系は510万円〜800万円、250系の価格は520万円〜735万円、70系は480万円と、いずれも国産車としてはかなり高額な部類です。
これまでは「ランドクルーザー プラド」がシリーズのエントリーモデル的な役割を担っていましたが、事実上の後継である250系の登場にともない、販売終了となってしまいました。
機能装備が充実している点や昨今の物価高騰の影響は無視できないものの、かつてと比べると、多くのユーザーにとってランドクルーザーシリーズが「高嶺の花」となってしまっているのは事実です。
一方、2023年8月に250系が世界初公開された際、トヨタの取締役・執行役員 デザイン領域統括部長であるサイモン・ハンフリーズ氏は「(ランドクルーザーシリーズを)より手に入れやすくできないか、と考えているのです」と発言しています。
しかし、これは250系に対するコメントではありません。上述のとおり、その後発売された250系の価格はすでに発売されていた300系に匹敵するものであり、お世辞にも「手に入れやすい」とは言えません。
では、ハンフリーズ氏によるこのコメントは、いったい何を意味しているのでしょうか。
そのもっとも有力な答えと見られるのが、いわゆる「ミニランクル」です。
「ミニランクル」の登場が噂されるようになったのは、トヨタが2021年12月に開催した「バッテリーEVに関する説明会」という記者会見でした。
この説明会では、トヨタとレクサスが今後発売する予定のBEVとして、実に30種ものコンセプトカーが登場しました。
そして、そのなかのひとつに「コンパクトクルーザーEV」という、その名のとおり、小さなランドクルーザーと呼ぶべきルックスを持った1台がありました。
コンパクトクルーザーEVのデザインを手掛けたのは、欧州におけるトヨタのデザイン拠点である「ED2(EDスクエア)」です。
ED2では、コンパクトクルーザーEVについて「トヨタのオフロード車の豊かな歴史を踏まえ、コンパクトクルーザーEVは、アクティブなアウトドアレジャーを楽しむ都会の若者をターゲットのライフスタイルを、100%電気自動車である特徴的な四輪駆動車でより豊かにすることを目的としています」と説明しています。
このコンセプトモデルがランドクルーザーシリーズの延長線上にあることを示唆しています。
実際、コンパクトクルーザーEVのデザインは、かつてのランドクルーザー40(以下、40系)を思い起こさせるものとなっています。
また、そのコンパクトさから、既存のランドクルーザーシリーズよりも手頃な価格となる可能性が高く、その点において、ハンフリーズ氏による発言とも合致します。
「ランドクルーザーFJ」の名称でまもなく登場か!?
2023年9月から11月にかけて、トヨタは「ランドホッパー」「ランドスケープ」、そして「ランドクルーザーFJ」という名称を商標登録出願しています。
その後、「ランドホッパー」は前2輪、後2輪の電動モビリティ、「ランドスケープ」が「クラウンクロスオーバー」の特別仕様車に与えられる名称であることが明らかとなりました。
一方、「ランドクルーザーFJ」については、2024年5月現在もその詳細は明らかになっていません。
しかし、「ランドクルーザー」という名称が冠されていることや、「FJ」が40系の型式名にも採用されていることから、コンパクトクルーザーEVの市販版、つまり「ミニランクル」に対してこの名称が用いられる可能性は高いと考えられます。
「FJ」の由来は「F型エンジンを搭載したジープ(Jeep)」の頭文字にあるとされていますが、もちろん「ミニランクル」が「F型エンジン」を搭載するわけではありません。
ただ、ランドクルーザーシリーズの基礎を築いた40系の型式名を、次世代を担うことになるであろうBEV版のランドクルーザーの名称に与えるというのは、決して不思議なことではありません。
ちなみに、「ジャパン・モビリティ・ショー2023」では、BEVのランドクルーザーのコンセプトモデルが出展されています。
ただ、その名称は「ランドクルーザー Se」とされており、「ランドクルーザーFJ」という名称ではありません。
このように、ここまでの流れを整理すると、コンパクトクルーザーEVの市販版が「ランドクルーザーFJ」という名称で登場する可能性は極めて高いと言えそうです。
商標登録が公開されてから数か月以内で実際に発売となるケースが多いことを考えると、すでに発売は秒読み段階ではないかという見方もあります。
その一方で、既存のランドクルーザーシリーズの供給が追いついていないことや、BEVに関する各市場の動向が大きく揺れ動いていることから、発売するタイミングについては慎重にならざるを得ないのも事実です。
また昨今のダイハツや日野、豊田自動織機などによる相次ぐ不正問題により、トヨタは「1度立ち止まる」ということで、今後の開発スケジュールなどを見直しているという話もあります。
しかしながら、これまでの流れを見る限り、近い将来に「ミニランクル」が登場することはほぼ確実と言え、その詳細についてはトヨタからの発表を待つ必要がありそうです。
ただ2026年には次世代BEVなども登場することから、それまでにはなんらかのカタチで登場する可能性は大いに有り得るかもしれません。
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現在、本格派のオフローダーかつコンパクトなモデルとしては、スズキ「ジムニー」が圧倒的なシェアを誇っています。
ただ、ジムニーにはBEVモデルがラインナップされていないため、「ミニランクル」が登場したとしても、ジムニーと直接競合することはなさそうです。
むしろ、国産コンパクトオフローダーの2台巨頭として、両車が世界を席巻することになるかもしれません。