元死刑執行人が死去、バングラデシュ最多の刑執行
![バングラデシュの刑務所で服役中、死刑執行役を務めた際に使われたロープの切れ端を見せるシャージャハン・ブーヤさん。首都ダッカ郊外ケラニガンジの自宅で(2023年10月19日撮影)。(c)Munir uz ZAMAN / AFP](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/7/0/70e55_1351_6874a288_7b086997-m.jpg)
シャージャハン・ブーヤ(Shahjahan Bouya)さん(70)は、昨年6月に釈放されて以降、死刑執行人としての体験をまとめた本がベストセラーとなり、50歳下の女性と短期間結婚。この数週間は、動画投稿アプリ「ティックトック(TikTok)」に10代の少女らとの動画を投稿し、爆発的な人気を呼んでいた。
ダッカの警察署長サジブ・デイ(Sajib Dey)氏はAFPに、ブーヤさんは病院到着時には既に死亡しており、医師らは死因を特定できていないと語った。
家主は借家人のブーヤさんについて、「息が苦しそうだった」「15日前に部屋を借りたばかりで、一人暮らしだった」と語った。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によると、バングラデシュは死刑判決数で世界第3位。死刑執行は、受刑者が担っている。
読書家で、マルクス主義者の革命家だったブーヤさんは1970年代、隣国インドのかいらいと見なす政権の転覆を目指す非合法組織に加わった。79年、警察との銃撃戦の際にトラック運転手が死亡した事件で、殺人罪で有罪判決を受けた。
12年間続いた裁判の勾留中、死刑執行役を担っている受刑者が「最高級」の待遇を受けていることに気付いた。4人の受刑者にマッサージされる執行人も目にした。
「絞首刑の執行人には非常に大きな力がある」。そう思ったブーヤさんは自ら執行人に志願。禁錮42年を言い渡されていたが、数十人の死刑を執行したことで減刑され、昨年釈放された。
ブーヤさんの死刑執行数について、矯正当局は26回としているが、本人は60回だと主張している。
1975年にクーデターを企て、建国の指導者でシェイク・ハシナ・ワゼド(Sheikh Hasina Wajed)首相の父を殺害した軍の将校らの処刑も担った。
人権団体は、バングラデシュの刑事司法制度には大きな欠陥があると非難しているが、ブーヤさんはそうした批判を受け流す一方、少なくとも3人の死刑囚は無実だったと信じていると語っていた。
【翻訳編集】AFPBB News
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