巨人の正捕手バトル、頭角を現した「第三の男」 そして2軍で打撃好調の「第四の男」とは

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岸田は打率.265とバットでも一定の結果を残している(C)産経新聞社

 巨人はペナントレースで勝率5割ラインを巡り、一進一退の勝負が続いています。

 交流戦を終え、チーム防御率2.47はリーグ3位(6月22日現在)。昨年のチーム防御率がリーグ5位の3.39だったことを思えば、投手陣の検討は特筆に値するでしょう。

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 その「陰の立役者」として、今年からスタメンマスクをかぶることが多くなった岸田行倫の名を挙げる人々は多いのです。

 スポーツ紙のプロ野球担当記者は言います。

「岸田は元々、攻守に高いポテンシャルを秘めたキャッチャーとして評判でした。報徳学園では2、3年とセンバツ甲子園に出場し、3年生だった2014年のU18アジア野球選手権では高校日本代表に選出され、智弁学園の岡本和真とジャパンの3、4番を務めた打力の持ち主。大阪ガスを経て、2017年のドラフト2位で巨人入りしたことからも、期待の高さが表れています」

 ところが、その巨人には絶対的な正捕手が君臨し、岸田にスタメンマスクの機会はなかなか巡ってきませんでした。WBCにも選出された「打てる捕手」大城卓三です。

「原辰徳監督の高校(東海大相模)、大学(東海大学)の後輩ということもあり、非凡な打力も評価され、“扇の要”に君臨しました。2023年には134試合に出場し、打率.281、16本塁打、55打点という抜群の成績を残しました。これで巨人の捕手争いは『大城一強』と結論づけられたと思ったんですが……」

 捕手はもちろん打力も大事ですが、首脳陣や投手からすれば、リード面の占めるウェートは大きいとされています。その点において、今年から指揮を執る阿部監督はコーチ時代、岸田のポテンシャルを買っていたのです。

「一球の意図、根拠を明確に、ジェスチャーを用いて投手を鼓舞する岸田のリードは首脳陣やナインからも評判になっています。大城の不振もあって、昨季はなかなかスタメン出場に恵まれなかった小林誠司にも出番が回ってきている。ハイレベルな競争で現場が活性化している印象です。あとは、大城の打棒が好調時に戻ってくれたら、鬼に金棒でしょうね」(前述の記者)

 そして、ファームでは「捕手・第四の男」育成出身の喜多隆介が打率.311と攻守にレベルアップ。1軍昇格を目指して頑張っています。

 プロ野球界には「優勝チームに名捕手あり」との格言があります。巨人がV争いへ生き残っていけるかは、岸田のさらなる成長、さらには喜多の突き上げに懸かっているのかもしれません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]