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手塚治虫原作のドラマ『ブラック・ジャック』(テレビ朝日系)について、2024年6月30日の放送開始を前に「原作改変」というキーワードがX(Twitter)でトレンド入りした。

ドラマでは登場人物のひとり、「Dr.キリコ」役に俳優の石橋静河さんがキャスティングされている。原作漫画では男性であるキャラを女性が演じるということで、さまざまな反応が相次いでいることが背景にある。

原作ファンから疑問が相次ぐ

今回論点になっているのは、原作では男性設定のDr.キリコを、ドラマで女性俳優にキャストしたこと」への賛否だ。性別が変更になったことを受けてか、石橋さん扮するDr.キリコの服装や髪型など、ビジュアルも原作とはやや異なっている。

原作のイメージに近いキャスティングを期待していたXユーザーからは「ブラックジャック期待してたけど何故ドクターキリコを女性にしたんだ…」「ブラックジャックファン視点だと、女性にするメリットが『物語上には』まったくないですからね」「これは…キリコの人物背景とかも変わってくるのかな。 設定変えられたら嫌だなぁ…」といった疑問の声が相次いでいる。

一方で「Dr.キリコを女性が演じるってのは面白い。原作がかなり前のものだからこれくらい大胆な解釈でも良いのでは」「キリコ役のこのキャスティングがどう作用するか気になる」と期待する声も。

実写化の性別変更は議論になりやすいポイント

原作ファンが多い作品を実写化するにあたって、「どこまで原作への忠実さを求めるか」はたびたび話題に上がるトピックだ。中でも特に「キャラクターの性別変更」に関する議論は白熱しやすい傾向にある。

過去の例で言うと、2020年に放映された漫画『らーめん才遊記~』の実写化ドラマで、スーツ姿にスキンヘッド姿が印象的な男性キャラ・芹沢達也を、俳優の鈴木京香さんが演じると発表された時も似たような議論が巻き起こった。

この時もキャラクターの性別変更に抵抗感を示す声が相次いだが、一方で原作ファンからは作中の芹沢の性格や背景などを踏まえると「芹沢は女性キャストを認めそう」「キャラ本人が良しとしそうなのが笑える」とメタ的な視点で好意的な反応も多かったのが印象的だった。

竹中直人のシュトレーゼマンまで振り切ると逆にアリ?

性別変更に近い変更の例では、『のだめカンタービレ』の実写版で、ドイツ人指揮者のフランツ・フォン・シュトレーゼマン役を竹中直人さんが演じた話も思い出される。

国籍が違うという大胆なキャストが公開当時も注目を集めたが、原作のシュトレーゼマンのひょうきんなキャラクターと、竹中直人さんの「怪演」とが相まって「竹中直人で全く違和感なかった」「不正解だけど正解だった」などと評価する声も多い。

しかしながら、こちらもまた「認めてる人が多くて言いづらいが、(竹中さんのシュトレーゼマン役が)本当に嫌だった」「竹中直人はシュトレーゼマンって顔じゃないのよ」という声もあり、公開から十数年経った今も賛否が分かれているところだ。

いずれにせよ、性別や国籍といったキャラクターの本質的な情報の変更への評価は、実際に作品がリリースされるまではどうなるか分からないもの。原作の1ファンとして、石橋静河さんが演じるDr.キリコも含めて、実写版『ブラック・ジャック』を楽しみにしたいところだ。