【中日】交流戦を三大ニュースで振り返る 苦しい期間でも見えた「光明」とは?
カリステの打撃も光った(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext
中日のセ・パ交流戦は7勝11敗、4つの負け越しに終わった。最初の2カードは五割で乗り切るも以降の4カードでいずれも1勝2敗。期間中は33得点に対して62失点と、得失点の収支がほぼ倍に膨れ上がり、苦しい戦いを強いられた。そんな中でどんなトピックがあったのか。少し振り返ってみたい。
【動画】好投していた堀田は6回にカリステに二塁打を浴びるなど、逆転を許した
■ここぞの中田翔! 延長で2度の決勝打
交流戦開幕と同時に、中田翔が戻ってきた。右太もも肉離れからの早期復帰かつ、復帰したカード(西武戦)で自打球を左膝に受けた影響か、期間中は打率.136、本塁打なしと振るわなかった。それでも数少ない安打の中で印象的な活躍が見られた。
まずは6月2日のオリックス戦(京セラドーム大阪)。同点で迎えた延長12回、2死二塁からレフト線へ決勝のタイムリー二塁打をマーク。14日のロッテ戦(ZOZOマリン)では、延長10回に右中間へ再び試合を決めるタイムリー二塁打。延長で2度の決勝打、しかも2週間足らずでの記録はなかなかレアなのではないか。
「自分の打撃が分からなくなった」「打てなくてキツかった」と嘆きつつ、決める時は決める。これにはもう、さすがとしか言いようがない。
■エスコンフィールドで初の公式戦
選手、ファンがともに楽しみにしていたのが、エスコンフィールド北海道でのゲームである。日本ハムの本拠地として開場し、2年目で満を持してのドラゴンズ戦開催。現地は早い時間からドラゴンズファンで溢れ、三塁側スタンドをチームカラーの青色で染めた。
6月11〜13日に行われた3連戦は1勝2敗で負け越し。初戦で4−0と快勝を収めたものの、2戦目以降はパ・リーグ上位を走る日本ハムに返り討ちに遭った。2戦目は郡司裕也がホームラン、3戦目は山本拓実が勝利投手と、1年前まで中日に在籍した選手の活躍を許す格好に。悔しい結果と内容で新球場を後にした。
現行の交流戦ルールだと、次回は2年後の開催。その時はどんな対決になるのか、球場周辺の進化とともに楽しみにしたい。
■投打のMVPは郄橋宏斗とカリステ
苦しい交流戦期間中、チームを引っ張ったのは誰だったか。筆者は投の郄橋宏斗、打のオルランド・カリステをチーム内MVPに挙げたい。
郄橋宏は火曜ローテで3試合に投げて2勝、防御率0.47をマーク。5月28日の西武との開幕戦では今井達也に投げ勝ち、6月11日の日本ハム戦ではエスコンでの初戦を見事な好投で飾った。
カリステは後半3カードでの活躍が目立ち、9試合で5度のマルチ安打。主に1番打者として打線を引っ張り、守っては一塁や左翼だけでなく来日初の中堅での出場も複数回記録。持ち前のポリバレント性を遺憾無く発揮した。
2人に共通して見られたのは、パ・リーグの猛者たちに負けない力強さと攻める気持ち。それをグラウンドで披露できれば良い結果に繋がると分かったのは「光明」ではないか。6月21日のレギュラーシーズン再開に向け、ドラゴンズナインには今一度力強さと攻める気持ちを忘れずに試合へ臨んでもらいたい。
[文:尾張はじめ]