元巨人首脳陣が振り返る2023シーズン 「ブリンソンのメンタルはすごい」「戦犯だぞと」

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ブリンソンは勝負強い打撃も光った(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 2020年以来、優勝から遠ざかっている巨人において、今季は球団創設90周年の節目の年、4季ぶりのV奪回に一層力の入るシーズンともなっている。

 一方で昨季はチーム打率、本塁打数ともリーグトップになるなど一定の成績をおさめながら、V逸となったことが改めて注目を集めている。

 この点について、昨年、打撃部門のチーフコーチを務めた大久保博元氏が自身のYouTubeチャンネル「デーブ大久保チャンネル」で2023シーズンを振り返っている。

 6月19日に更新された動画では、大久保氏と同じく昨年チームの投手部門のチーフコーチを務めた阿波野秀幸氏がゲストに招かれ対談を行っている。

 シーズン143試合を戦い、71勝70敗2分けで4位に沈んだ。2023年の戦いに関して、両コーチとも見解が一致したのは「波長が一緒だった」と、投打が不振になるタイミングが残念ながら合ってしまったとした。

 投手部門のチーフを務めた阿波野コーチは、開幕投手を予定していた菅野智之の離脱や、WBCにも参加した守護神、大勢の離脱などを誤算にあげる中、打撃部門のチーフを務めた大久保氏がポイントにあげたのは、ブリンソンの走塁ミスだった。

 昨年チームに在籍した助っ人のルイス・ブリンソンは4月6日のDeNA戦(横浜)で「6番・中堅」として先発出場すると、2回一死一塁の場面で左中間を破る長打を放つも、前の打者を見ておらず、挟殺プレーに。さらに三塁に進んだ後はアウトカウントを間違えて、ベンチに戻ろうとしたから首脳陣はたまらない。大久保氏は「あれから立ち直るのにだいぶ時間がかかってしまった」と、ボーンヘッドがチームに与える影響の大きさを語った。

 すっかりお騒がせ助っ人として有名になってしまったブリンソンはその後もシーズン中に守備や走塁ミスを繰り返し、指揮官の原辰徳前監督が「我々の指導不足」と懺悔したことも。

 これには阿波野氏も原前監督も「走塁ミスをすると、(チームの)流れはなかなか変えられない」という認識を持っていたとした。

 一方で阿波野氏は「ブリンソンのメンタルは凄いよ」とコメント。DeNA戦ではボーンヘッドをおかしながらも、同カードでは勝負強い打撃でミスを取り戻すシーンもあったが、そういう場面では、「『俺を見ろ!』と胸をたたいてアピールしていた。すごいな!と思っていた」と苦笑交じりに振り返った。

 大久保氏もそのシーンを覚えているとしながら、「(ブリンソンは)戦犯だぞ!ってね」とミスをしながらもめげない姿勢には驚かされたとした。ブリンソンは実際に昨年8月13日のDeNA戦で満塁弾を放っている。ミスをおかしながらも、自身の打撃で取り返すことで「ブリンソン劇場」ともいわれた。

 ブリンソンは2023シーズン88試合に出場、打率・248、11本塁打、35打点の成績を残し、退団となった。今季はメキシカンリーグでプレー、昨季同僚だった丸佳浩が節目の1000得点を記録したときには自身のSNSで祝福コメントを寄せたことも話題を呼んだ。 
 
 強烈な印象を残した助っ人の一人であることは間違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]