レクサスLBX 詳細データテスト インテリアの質感は高い 意外に硬い乗り心地 モアパワーがほしい
はじめに
小さな高級車はいかがだろうか。もしもひとや荷物を多く乗せることがなくても、内装のハイエンドなマテリアルや遮音性、快適な乗り心地はほしいだろうし、さらにコンパクトカーの活発さや取り回しのよさも兼ね備えていたらうれしいではないか。
誰でも気づきそうなアイデアではあるが、それを実行したメーカーはじつに少ない。商業的に成功を収めた例は、さらに少ないといえる。スモールカーとしては高価なクルマで、十分に納得できる販売台数を稼いだのは、ミニくらいのものだろう。
テスト車:レクサスLBX FWDプレミアム・プラス・デザイン JACK HARRISON
アウディA1は初代こそうまくいったが、2代目はそこまでの成功を再現できずに苦戦し、どうやら3代目への世代交代はなさそうな気配だ。Q2も同じく、ヒットには結びつかなかった。オペル/ヴォグゾールが、プレミアムブランドへの転身をアピールしようとしたアダムも、わずかな支持しか得られなかった。
それでも怯まないのが、我が世の春を謳歌するトヨタだ。ヤリスクロスの基本設計を応用して、レクサスLBXを生み出した。それも、単なる様子見で片手間に造ったようなクルマではない。レクサス・ブレイクスルー・クロスオーバーを意味するとされる車名を与えられ、欧州市場の嗜好を明確に意識して開発された初のレクサスだという意欲作だ。
レクサスはこのLBXで、これまでより若い顧客層の取り込みを目論んでいる。英国での年間販売目標は、6000台とのことだ。
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
もしもLBXを、レザーで飾っただけのトヨタ・ヤリスクロスだと評したら、レクサスのエンジニアたちは大いに違を唱えるだろう。というのも、基本骨格を共用する以上のことをしているからだ。
プラットフォームはトヨタのBセグメント用コンポーネンツであるTNGA−Bのバリエーションで、ハイブリッドパワートレインともども、ヤリスクロスとベースは同じ。しかし、各車で別個に開発されたというのが、エンジニアの主張だ。
ベースとなるのはヤリスなどと同じ1.5Lハイブリッドだが、NVH対策やモーターとバッテリーの出力向上などが施されている。 JACK HARRISON
実際のところ、パワートレインは改良版ヤリスと大差ない3気筒ハイブリッドだが、電気モーターは9psアップ。そのモーターを存分に活かすため、バッテリーも0.76kWhのリチウムイオンから、1.0kWhのニッケル水素に変更。最新のバイポーラ式で、プラグインではないハイブリッドに求められる急速な充放電性能や、LBXが欲した高出力を実現した。
年内に追加される電気式4WDは、リアアクスルに6.4ps/5.3kg−mのインダクションモーターを搭載。明らかに、パフォーマンスへの貢献度は小さく、0−100km/h加速はむしろ0.4秒遅くなる。あくまでも滑りやすい路面で、低速時のトラクションを増すのが狙いのメカニズムだ。
1.5L直3自然吸気は、パワーもトルクもヤリスと同じだが、バランスシャフトが追加され、エンジンのバイブレーションを相殺してスムースさをもたらす。
LBXを正真正銘のレクサスとして仕上げるために、NVHの磨き込みは重視された。ドアを閉める際の音は、パネル内に設置した減衰シートで調整。また、ルーフやアンダーボディに遮音材が追加されている。タクミ以上の上位グレードには、遮音ガラスとアクティブノイズキャンセリングも備わる。
マルチリンクを用いるミニとは異なり、LBXは小型車の常道ともいうべき前マクファーソンストラット/後トーションビームというサスペンションだが、4WD版のリアはダブルウィッシュボーンとなる。ステアリングコラムには振動を吸収する、伸縮機構付きインターミディエイトシャフトを装着する。
ボディパネルに、ヤリスクロスとの共通点はなく、ホイールベースは20mm、全長は10mm上回る。レクサスの新世代デザインを採用し、ややトーンダウンしたスピンドルグリルがフロント部に統合された。ヤリスに比べるとAピラーは後方にあり、ボンネットは長く、ホイールアーチはフレアしている。残念なのは、Cd値が0.34と高いことだ。
内装 ★★★★★★★★☆☆
ドアを開けて最初に気付くのは、レクサスがインテリアを高級に感じさせる点に関して、この上なくうまい仕事しているということ。いうなれば、RXのスケールダウンを見るようだ。
デザインは控えめかつモダンで、テスラや最新のレンジローバーのように要素を削ぎ落としてシンプルに徹している。いっぽうでマテリアルは魅力的。多用されているソフトタッチの合成皮革は、本革とあまり見分けがつかない。
小型車だという先入観があると、むしろ違和感を覚えるほど高級感は十分。ただし、情報表示や安全装備類などはもう少し念を入れた取捨選択を望みたい。 JACK HARRISON
9.8インチのタッチ式ディスプレイは、ダッシュボードにうまく組み込まれているので邪魔にならない。また、温度調節や走行モード、オートホールドなどの実体ボタンを設置するスペースもしっかり確保されている。エアコン操作の一部はタッチ画面経由で行うが、操作部は常時表示されている。
これがほかのレクサスならば、やや存在感の薄い温度調節ロッカースイッチと、サテン仕上げの金属調プラスティックを張ったセンターコンソールの組み合わせには文句が出るかもしれない。しかし、より大きくて高価なメルセデス・ベンツGLAやクプラ・フォーメンターあたりと比べれば、LBXのほうが仕上がりは一枚上手だと感じる。
この凝縮感は視覚的にも大きく作用し、マテリアルの高級さは、センターコンソールの狭さや助手席との距離に対してある種の認知的不協和を引き起こす。あくまでも外見のサイズや、多少不足気味の居住空間との相対関係にすぎないので、すぐに慣れるのだが。
背の高いテスターは、運転席を目いっぱい後方へスライドしないと快適なポジションを取れなかったが、そうなると後席は小さな子どもくらいしか座れなくなる。とはいえ小型車なのは承知の上なのだから、それを欠点に挙げるのはお門違いだ。いっぽうで、荷室は驚くほど深さがある。
ほぼ高級車として納得できる体験を提供してくれるLBXだが、それを損ねるような無駄に腹立たしい技術も装備されている。まず言いたいのは、必要ないことまでなんでもかんでも警告音で知らせること。ドアが空いたままだとか、後席に誰か乗ったままだとか、それを本当に見落とすことがそうそうあるだろうか。エンジンをかけるたびに、利用規約への同意か不同意かを尋ねられるのもうっとうしい。
プレミアムプラス以上に装備される、ステアリングホイールのタッチトレーサーボタンもまた、ちょっとばかり厄介だ。アイデアは悪くない。特定の機能は割り当てられておらず、設定が可能で、触れればメーターパネルかヘッドアップディスプレイに説明文が表示される。その下のボタンを使えば、ふたつのプリセットを切り替えることもできる。
ところが実際には、選択できるマッピングが限られていて、それほど使い勝手がよくない。標準画面の要素も、十分に考えられたものとは言い難い。また、クルーズコントロール使用中はディスプレイのレイアウトが固定されてしまう。反応がイマイチで、何度も押さなくてはいけないことの多いボタンも困りものだ。
走り ★★★★★★☆☆☆☆
トヨタのフルハイブリッドは、シンプルだとも複雑だとも言える。初代プリウスにまで遡る中心的なコンセプトは、最高に簡潔なエンジニアリングを集めたもの。ガソリンエンジンをベースに、モーターを組み込んでCVTのように働く遊星ギアセットを組み合わせて、ハイブリッドパワートレインを構成する。モーターは、大型のものが駆動、小型のものがジェネレーターとギア比変更を担い、それぞれのコンポーネンツが断続機構を介さずに協調する。
そのコンセプトは、ここで完全に説明するには複雑すぎるが、ユーザーは給油するだけで準備完了。あとはDレンジに入れてスロットルペダルを踏むだけで、普通に走れてしまう。ストレスフリーであるべきクルマがストレスなく動力を得られることは、利点が非常に多い。DCTはスムースさに欠ける場合もあるが、LBXの電気式CVTは申し分ない。
ハイブリッドの作動はスムースで、エコモードでも不自然にパワーを抑えた感じがない。ただし、充電残量があるうちは静かで力強いが、電池が切れると3気筒の騒々しさが気になりはじめる。 JACK HARRISON
穏やかに発進すれば、3気筒エンジンは静かだ。エコモードのスロットルマッピングはうまくできていて、ゆったりしたドライビングを可能にするが、燃費重視モードにありがちな不自然にエンジン出力を絞った感じがない。
長距離を走っても、エンジン音を耳にすることはめったにないが、右足を踏み込めば、LBXは驚くほど元気に走ることもできる。0−97km/hが8.4秒というのは、この手のクルマとしては納得できる性能だ。
とはいえ、その後は及び腰だ。強い加速を続けているとエネルギー回生が効かず、バッテリー残量がすぐに尽きてしまうので、モーターの駆動力がフルには使えなくなる。結果、加速テストを繰り返すと、タイムは8.8秒、9.5秒、10.6秒と徐々に落ちていった。
これはテストコースに限った話ではない。B級道路を攻めたときや、市街地でEV走行をメインにしたあとにも起こりうる。そうなると、3気筒が騒々しい音を立てはじめる。
ブレーキはバイワイヤで、われわれとしてはペダルがやや軽く過敏に思えたが、慣れてしまえばスムースに停止できるようになるはずだ。緊急ブレーキを繰り返しても、スタビリティや制動距離に問題はなかった。ただし、ABSかブレーキ圧を生むためのものかは不明だが、ポンプがかなりうるさい。また、サスペンションのピッチングが過剰で、必要以上にびっくりさせられる。
使い勝手 ★★★★★★☆☆☆☆インフォテインメント
マルチメディア系は、レクサスやトヨタの最新モデルと同じもの。だいぶ基本的なインターフェイスで、ヤリスでは満足できても、高級車では不十分に感じられる。メルセデス・ベンツなどのシステムとは違って、インターフェイスやフォント、機能性にレクサスブランドらしさを加味している部分がない。
当然というべきか、Apple CarPlayやAndroid Autoを使うことになるだろうが、Androidは有線接続のみ。また、ミラーリングを使うことが問題を引き起こす。利用規約への同意か拒否が毎回求められる上、ホームボタンやショートカットバーが常駐していないので、既存のCarPlayの設定を車両のセッティングにアジャストしづらいのだ。
比較的ベーシックなシステムで、スマートフォンとのミラーリングにも不満が残る。中間グレードのオーディオは6スピーカーだ。 JACK HARRISON
車載インターフェイスを選ぶと、メニューはロジカルで反応は素早い。とはいえ、車載ナビはとくに出来がいいわけではない。
テスト車に標準装備される6スピーカーのオーディオシステムは、おおむね平凡なサウンド。タクミ以上のグレードには、13スピーカーのマークレビンソン製システムが搭載される。
燈火類
LEDヘッドライトは標準装備。マトリックスビーム仕様はオプション。
ステアリングとペダル
2ペダルのみで、配置はきわめて普通。ヤリスとは違って、スロットルペダルはレクサスの流儀に従ったオルガン式なので、上質感が味わえる。
操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆
パワートレインはスムースでゆったりしていて経済的だが、楽しさには欠けている。となれば、エンジニアたちがシャシーにも同じく、なめらかでリラックスしたセットアップを施したと思うのではないだろうか。
ところが、それは必ずしも正しくない。LBXは意外なほど硬いクルマで、中速域の乗り心地が思ったより忙しない。それでも、そこそこサイドウォールの厚いタイヤとうまくコントロールされたダンピングにより、乗り味は豪華で高額なクルマのそれだと感じられる。そして、はじめのうちは硬さがこのクルマにそぐわないように思えたが、走らせているうちにシャシーとの一体感が高まってくる。
シャシーはだいぶ硬めで、思ったより熱い走りが味わえるが、急加速を繰り返すとスムース志向のハイブリッドパワートレインに負担をかける。 JACK HARRISON
サスペンションが硬いので、攻めた走りをすると楽しめるのもまったく予想できないことではない。グリップは比較的ハードで、ノーズはかなり熱心にコーナーへ食いつく。旋回中にスロットルを抜くと、シャシーはかなり積極的に曲がりたがる。少なくとも、電子制御が入る前までは。
ロックトゥロックが2.7回転もあるのに、第一印象はステアリングの中立付近がちょっと過敏。それでも、走っているうちに慣れてしまった。しかしながら、どの程度グリップがあるかステアリング越しにしっかり感じることはできない。
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
LBXの乗り心地は、高級車としてはぶっきらぼうだが、それ以外にも洗練性に支障がないわけではない。遮音材を増設しているにもかかわらず、小型車向けの基本構造に起因する問題がある。速度を上げたときの静粛性は立派だが、それ以上に並外れているわけではない。113km/hで68dBAというのは、ボディサイズを考えればなかなかのものだが、レクサスであればもっと高いレベルを期待したくなる。
上位機種にはアクティブノイズキャンセリングだけでなく、フロントと前席両サイドのウインドウに遮音ガラスが与えられる。その仕様を試す機会には恵まれていないが、おそらく少なからぬ差が出るだろう。振動については、今回のテスト車でも、パワートレインからもサスペンションからもほとんど出ていなかった。
乗り心地はまずまず硬め。遮音性は、小型車としてはなかなかだが、レクサスならもう少し向上できるかもしれない。 JACK HARRISON
トヨタとレクサスは、エントリーレベルの仕様でも快適なシートを装備する傾向にあるが、それはLBXも例外ではない。パッドのサポートがいい上に、調整式ランバーサポートも採用。テスト車の手動シートに座面チルトがついていなかったのは残念だったが、それでも太ももは問題なく支えてくれる。
着座位置は、クロスオーバーとしてはやや高め。ステアリングホイールの調整範囲は広い。
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
英国市場における最廉価版は2万9995ポンド(約600万円)のアーバンだが、中間仕様のプレミアム・プラス・デザインは3万5605ポンド(約712万円)、最上位のオリジナルエディションは4万5ポンド(約800万円)。いずれにせよ、スモールカーとしては高価だ。
ましてや、基本プラットフォームが同じトヨタ・ヤリスクロスは2万5530ポンド(約511万円)から買えるのだから。しかし、洗練性やパワー、質感を考えると、価格差なりの違いがある。
LBXは、プレミアムもしくはセミプレミアムブランドのライバルよりかなり高い残価率が期待できるが、ミニには敵わない。
他社に目を向けると、LBXと装備が同等の場合、アウディQ2の価格はほぼ変わらず、DS 3やプジョー2008はやや安い。それらよりサイズの大きいメルセデスGLAやクプラ・フォーメンターは、当然というべきか上の価格帯になる。
性能は実証済みのハイブリッドシステムを積むだけに、LBXの経済性には期待するだろうが、そこは運転の仕方に左右される部分が大きい。回生ブレーキを使わない113km/h巡航では16.0km/Lだったが、テスト時を通した平均は18.7km/Lをマークした。動力計測や高速道路での長距離移動を含めての結果だということを考えると、市街地や郊外などを走る機会の多い現実的なケースでは、もっといい燃費が出ると思っていいだろう。
レクサス車やトヨタ車の例に漏れず、保証は厚い。レクサスは標準で、全車3年/9.7万kmだが、1年/1.6万kmずつの追加が可能で、最大10年/16万kmまで延長できる。
スペックレイアウト
プラットフォームはトヨタがヤリスやヤリスクロスで用いる、GA−Bがベース。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビームだ。
4WD仕様の場合、リアサスペンションはダブルウィッシュボーンで、後車軸に小型の駆動用モーターが追加される。テスト車の前後重量配分は、実測で60:40だった。
エンジン
Bセグメント用プラットフォームのGA−Bがベース。サスペンションは前マクファーソンストラット/後トーションビームで、4WD車はリアにダブルウィッシュボーンと小型の駆動用モーターを装備。テスト車の前後重量配分は、実測60:40だ。
駆動方式:フロント横置き、前輪駆動
形式:直列3気筒1490cc、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ80.5×97.6mm
圧縮比:14.0:1
バルブ配置:DOHC4バルブ
エンジン最高出力:94ps/5500rpm
エンジン最大トルク:18.8kg−m/3600−4800rpm
許容回転数:−rpm
ハイブリッドアシスト:永久磁石同期モーター駆動
モーター最高出力:90ps
モーター最大トルク:12.3kg−m
システム最高出力:136ps/−rpm
システム最大トルク:−kg−m/−rpm
馬力荷重比:106ps/t
トルク荷重比:−kg−m/t
エンジン比出力:61ps/L
ボディ/シャシー
全長:4190mm
ホイールベース:2580mm
オーバーハング(前):860mm
オーバーハング(後):740mm
(メーカー公表値)
全幅(ミラー含む):2030mm
全幅(両ドア開き):4180mm
全高:1560mm
全高:(テールゲート開き):1890mm
足元長さ(前席):最大1040mm
足元長さ(後席):615mm
座面〜天井(前席):最大1020mm
座面〜天井(後席):915mm
積載容量:402〜994L
構造:スティール・モノコック
車両重量:1280kg(公称値)/1306kg(実測値)
抗力係数:0.34
ホイール前・後:7.0Jx18
タイヤ前・後:225/55 R18 98H
ミシュランEプライマシー
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)
変速機
形式:CVT
最終減速比:3.22:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
平均:18.7km/L
ツーリング:16.0km/L
動力性能計測時:8.7km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):−km/L
中速(郊外):−km/L
高速(高速道路):−km/L
超高速:−km/L
混合:21.7km/L
燃料タンク容量:36L
駆動用バッテリー:ニッケル水素・1.0kWh
現実的な航続距離:6718km
CO2排出量:103g/km
サスペンション
前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:トーションビーム/コイルスプリング、スタビライザー
ステアリング
形式:電動機械式、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.7回転
最小回転直径:11.2m
ブレーキ
前:282mm通気冷却式ディスク
後:264mmディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:電動、センターコンソールにスイッチ配置
静粛性
アイドリング:−dBA
全開・145km/h時:74dBA
48km/h走行時:58dBA
80km/h走行時:63dBA
113km/h走行時:68dBA
安全装備
ABS/ESC/ブラインドスポットモニタリング/LKA/AEB(歩行者/自転車検知)/速度超過警告/ドライバーモニタリングカメラ
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人−%/子供−%
交通弱者保護性能:−%
安全補助装置性能:−%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温17℃
0-30マイル/時(48km/h):2.9秒
0-40(64):4.3秒
0-50(80):6.1秒
0-60(97):8.4秒
0-70(113):11.2秒
0-80(129):14.7秒
0-90(145):19.2秒
0-100(161):25.8秒
0-402m発進加速:16.5秒(到達速度:135.8km/h)
0-1000m発進加速:30.4秒(到達速度:164.8km/h)
ライバルの発進加速
トヨタ・ヤリス1.5ハイブリッド・デザイン(2020年)
テスト条件:乾燥路面/気温20℃
0-30マイル/時(48km/h):3.2秒
0-40(64):4.8秒
0-50(80):6.8秒
0-60(97):9.2秒
0-70(113):12.0秒
0-80(129):15.6秒
0-90(145):20.2秒
0-100(161):26.5秒
0-402m発進加速:17.1秒(到達速度:134.4km/h)
0-1000m発進加速:31.0秒(到達速度:169.8km/h)
キックダウン加速
20-40mph(32-64km/h):2.4秒
30-50(48-80):3.2秒
40-60(64-97):4.2秒
50-70(80-113):5.1秒
60-80(97-129):6.3秒
70-90(113-145):8.0秒
80-100(129-161):11.1秒
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温17℃
30-0マイル/時(48km/h):8.7m
50-0マイル/時(64km/h):24.2m
70-0マイル/時(80km/h):47.2m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.60秒
トヨタ・ヤリス1.5ハイブリッド・デザイン(2020年)
テスト条件:乾燥路面/気温20℃
30-0マイル/時(48km/h):8.8m
50-0マイル/時(64km/h):24.2m
70-0マイル/時(80km/h):47.3m
結論 ★★★★★★★☆☆☆
小さくてもチープではないクルマ、というのは魅力的なアイデアだ。人や荷物をどれだけ運べるかという点で、小型車は使い勝手に限界があるものの、それ以外に便利な点は多い。そこに高級感を加えるというのは、やる価値のある商品企画だ。
LBXは、そんな期待のいくつかに応えてくれたが、すべての希望を満たしてはくれなかった。インテリアの雰囲気や質感はうなずけるもので、スムースで経済的なハイブリッドパワートレインは穏やかなクルージングをするのに最適だ。
結論:たしかに小さなプレミアムカーだが、それ以上ではない。 JACK HARRISON
走り味になじむにはちょっと時間を要する。レクサスはこのLBXを、もう少し快適で上質なクルマに仕上げられたのではないかとも思うが、意外なほどダイナミックなシャシーと、硬いが減衰のうまいサスペンションは、より抑えが効いて腰の据わった方向で、魅力的な乗り心地をもたらしてくれる。
運転支援やインフォテインメントに関していえば、わざと気に触るように作ったわけではないだろうが、配慮不足からユーザーフレンドリーでなくなっているシステムもある。とはいえ、ソフトウェアからサスペンションのチューニング、装備のレベルまで、もっと慎重に検討されていれば、LBXは余裕で、より完成された堂々たる小さな高級車になれただろう。それこそ、われわれが望むものだ。
担当テスターのアドバイス
イリヤ・バプラートこんなにお節介でなければ、もっとLBXが好きになれるのに。もちろん、ドアを閉め忘れたり子どもを車内に置き去りにしないためのブザーにはもちろん賛成だが、不要なときには切れるようにしてほしい。
リチャード・レーンGRヤリスのランニングギアを用いたモリゾウRRコンセプトは、発売を期待したい。GR版LBX、もしくはGRヤリスの高級版として、普段乗りのクルマに選ぶスーパーカーオーナーは多いだろう。200psちょっとのFFモデルというのもおもしろそうだ。
オプション追加のアドバイス
グレードは下位か上位の2択。中間機種は装備内容がどっち付かずだ。上位のタクミには、ステアリングホイールヒーターや本革シート、マトリックスLEDヘッドライトなど、魅力的なアイテムが装備される。
改善してほしいポイント
・サスペンションはソフトに。ベーシック仕様のサウンドはもっと上質に。そして、もっとエキサイティングなパワートレインの追加を。
・過保護すぎやしないだろうか?
・ステアリングホイールのボタン風デバイスをもっと使いやすく。さもなくば、実体ボタンに差し替えてもらいたい。