俳優 青木崇高さん

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草磲剛さんインタビュー「ヴィンテージの魅力は時間を重ねてにじみ出る〈いいカンジ〉。僕自身もそんな俳優になりたい」

俳優 青木崇高さん

あおき むねたか/1980年、大阪府生まれ。NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」で注目を集め、以降NHK大河ドラマ「龍馬伝」や「西郷どん」「鎌倉殿の13人」、映画「るろうに剣心」シリーズといった話題作に次々と出演。昨今は、米国アカデミー賞を受賞した「ゴジラ-1.0」や韓国映画「犯罪都市 NO WAY OUT」など、海外で評価される映画にも出演。Huluオリジナル「十角館の殺人」が配信中。青木崇高/ Munetaka Aoki Instagram

起きたことは変えられなくても、
思いやりに救われる人がいる。
作品中の夫婦の姿が、
そのことを考えるきっかけになれば


人間の内面をあぶり出すような作品で知られる監督・𠮷田恵輔さんの最新作「ミッシング」。描かれるのは、最愛の娘が突然失踪した悲しみの中、マスコミと世間の声に翻弄される夫婦の姿です。


「𠮷田さんとは、一度いっしょにお仕事をしたいと思っていました。声をかけていただき本当にうれしかったです」と語るのは、さまざまな作品で存在感を示す俳優の青木崇高さん。本作では、石原さとみさん演じる妻・沙織里を支える夫、豊を演じました。

「脚本の内容が内容ですから。僕にもまだ小さい子どもがいますし、昨年出産を経験された石原さんも相当な覚悟で撮影に向き合われたはずです。撮影を始める前から『こう演じよう』と決めずに、現場でアンテナを張り、彼女のふとした会話や反応を拾いながら演じるようにしていました」

失踪事件への世間の関心が薄れていくことにあせり、しだいにメディアが求める〈悲劇の母〉を演じるなど言動が過剰になっていく沙織里。そんな沙織里とぶつかりながらも、なんとか寄り添おうともがく豊の存在は、見ている私たちにとっても大きな救いです。

「僕自身、撮影が終わった今も、あの家族の幸せを祈りつづけています。起きたことは変えられなくても、社会が思いやりや温かさを持って接すれば、当事者のかたが傷つかずにすむこともあるはず。この映画が公開された後の世界が、少しでもやさしいものになることを願っています」

沼津や蒲郡(がまごおり)など、海辺の町で撮影された本作。あき時間には、地元の海鮮料理や地酒で心を落ち着かせたという青木さん。

「撮影中、完全にオフになることはないのですが、少しでもその土地の空気感を取り入れられたらいいと思って。願掛けみたいなものですね(笑)」

元来食べるのも飲むのも好きで、料理をすることもしばしば。

「料理はマルチタスクだから頭も感覚もフルに使うのに、同時にリラックスできるのが不思議です。体に疲れがたまっていると感じたときにするのが、肉屋さんでおすすめの肉を選んで焼き方を教えてもらい、帰りにワインも買うこと。作って食べてリフレッシュできるのがいいですね」

青木崇高さんイチオシ!

おいしい店探し




口コミをすみずみまでチェック

仕事で地方に行ったときは、合間にその土地のおいしい店を検索。評価サイトでとことん調べます。「食べログ」などは口コミ数が多いと自動で点数が上がるアルゴリズムなので、決め手はコメントの内容。点数が低いのに高評価の店を見つけたいから、かなり読み込みます(笑)。よく探してしまうのはカレー屋さん。ちょっとベタですが、スパイスカレーが好きなんです。

これに注目!

「ミッシング」


© 2024「missing」Film Partners
5月17日(金)より全国公開
監督・脚本/𠮷田恵輔
出演/石原さとみ、中村倫也、青木崇高ほか
配給/ワーナー・ブラザース映画
とある街で起きた幼女失踪事件。娘の帰りを待つ沙織里は、夫・豊との温度差からけんかが絶えない。唯一取材を続けるローカルテレビ局の記者・砂田を頼る日々の中、娘の失踪時に沙織里がアイドルのライブに足を運んでいたことが知られ、ネット上での誹謗中傷が始まる―。失った大切なものを取り戻そうとする人々を繊細に描き出す感動作。

青木崇高さんからの直筆メッセージ

〈青木崇高さんからの直筆メッセージ〉

(『オレンジページ』2024年5月17日号より)

撮影/鈴木康史 取材・文/唐澤理恵 ヘア&メイク/NANA

·2024年4月現在の情報です。