AppleがiPhoneの中古部品を使った修理へのサポート拡大を発表、修理する権利が前進
Appleが2024年4月11日、ユーザーやサードパーティーの修理業者向けの既存の修理プロセスを、中古部品をiPhoneの修理に活用できるようにするように強化することを発表しました。
Apple to expand repair options with support for used genuine parts - Apple
https://www.apple.com/newsroom/2024/04/apple-to-expand-repair-options-with-support-for-used-genuine-parts/
Apple will open the iPhone to repair with used parts - The Verge
https://www.theverge.com/2024/4/11/24127278/apple-iphone-repair-used-parts
Apple opens access to used iPhone components for repair | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/04/11/apple-opens-access-to-used-iphone-components-for-repair/
これまでAppleは、デバイスの修理にあたってメーカー側ソフトウェアの承認を必要とする「パーツペアリング」を求めており、中古部品やサードパーティー製部品を用いた修理に厳しい制限を設けていました。Appleはパーツペアリングについて「iPhoneのプライバシーやセキュリティ、安全性を維持するために重要です」と述べています。
しかし、2024年3月にアメリカ・オレゴン州でパーツペアリングを禁止する法案「SB1596」にティナ・コテック州知事が署名したことで風向きが大きく変わります。
Appleによると、生体認証システムのFace IDやTouch IDに関わるセンサーの再利用と、「セルフサービス修理」を認証するツールを用いて、部品が取り付けられた際のキャリブレーションを行うために約2年を要したとのこと。
この結果、2024年秋以降に発売される一部のiPhoneなどで、生体認証センサーやディスプレイ、バッテリー、カメラなどのその他の部品の交換に中古部品を再利用することが可能になります。また、デバイス上でキャリブレーションを実施することから、Appleに交換用部品を注文する場合にデバイスのシリアル番号を送信する必要はありません。
Appleはこのポリシーについて「iPhoneユーザーのプライバシーやセキュリティ、安全性を維持しつつ、お客様により多くのオプションを提供し、製品の寿命を延ばし、修理による環境への影響を最小減に抑えることが可能です。私たちは、長持ちする製品を設計して地球への影響を軽減しながら、お客様に可能な限り最高の体験を提供するための新たな方法を常に模索しています」と語っています。
さらにAppleは、盗難に遭ったデバイスのパーツを窃盗犯が使用するのを防ぐために必要なアクティベーションロック機能を、iPhoneのパーツにも拡張することを発表しています。
Appleは「修理中のデバイスが、アクティベーションロックまたは紛失モードが有効になっている別のデバイスからのパーツを移植された場合、それを検出して、部品のキャリブレーションが制限されるようになります」と報告しました。
海外メディアのThe Vergeによると、使用済みの部品でiPhoneを修理することになった場合、その情報がiOSの設定アプリ内「部品とサービスの履歴」セクションに保存されるとのこと。Appleは「iPhone 15以降のiPhoneで中古部品を修理に使用できるこのポリシーが適用されることになるでしょう」と述べています。