昨年のJBCスプリントを制したイグナイター(撮影:高橋正和)

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 メイセイオペラ以来の偉業なるか。地方所属のイグナイター(牡6、兵庫・新子雅司厩舎)、ミックファイア(牡4、大井・渡辺和雄厩舎)、スピーディキック(牝5、浦和・藤原智行厩舎)の3頭が、フェブラリーステークス(4歳上・GI・ダ1600m)に参戦する。これは97年、00年、04年、08年、20年と並んで最多タイの頭数。各馬の実績を考慮すれば、史上最強のラインナップといえる。

 大将格はイグナイターだ。ここまで交流重賞を4勝。一昨年は黒船賞とかきつばた記念、昨年はさきたま杯とJBCスプリントを制し、2年連続でNARの年度代表馬に選ばれた。今回はマイルへの距離延長がカギとなるが、前々走の南部杯では2着の実績あり。ベストではないが守備範囲といえる。東京ダ1600mでも20年11月のデビュー戦を圧勝しているので、大きな割引は必要ないだろう。

 ミックファイアは昨年の羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートダービーを制覇。トーシンブリザード以来、22年ぶり2頭目となる無敗での南関東3冠を達成した。古馬との初対決となった前走の東京大賞典は初黒星となる8着だったが、出遅れの影響もあった。ここは改めて真価が問われる一戦となる。

 もう1頭のスピーディキックは地方を代表する牝馬。2歳時にJRA勢相手のエーデルワイス賞を制するなど、重賞9勝を挙げている。昨年のフェブラリーSは後方で追走に苦労しながら、直線で馬群の中から追い上げて1秒0差の6着。ペース慣れすれば前進必至と思わせる内容だった。その後も東京シンデレラマイルで連覇を達成するなど、常に一線級を相手にしながら大崩れなく走れている。立ち回り一つで昨年以上があっていい。

 ちょうど25年前の99年、メイセイオペラがフェブラリーSを勝ち、地方馬として初めてJRAのGIを制した。その後のフェブラリーSでは延べ26頭の地方馬が涙を飲んでいるが今年こそ。四半世紀ぶりの地方馬Vを期待したい。

【地方馬のフェブラリーSの5着以内】※GI格上げ後
・99年1着・メイセイオペラ(2番人気)
・00年4着・メイセイオペラ(3番人気)
・02年2着・トーシンブリザード(4番人気)
・02年5着・トーホウエンペラー(6番人気)
・04年4着・ミツアキタービン(12番人気)
・11年2着・フリオーソ(3番人気)