伊東純也

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弁護士は3代目

「週刊新潮」2月8日号が報じた、サッカー元日本代表の伊東純也が性加害で刑事告訴されていた件で、この数日、伊東側に立った情報を積極的に発信しているのが、現在の代理人弁護士である加藤博太郎氏だ。

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 この件に関して伊東側の弁護士は加藤氏で「3代目」となる。昨年9月以降、女性らは伊東らに謝罪を求めてきたが、初代と2代目はすでに降板した。

 1月28日まで代理人を務めていた弁護士は、週刊新潮の取材に対して、「伊東氏やX氏(伊東のマネジメント担当者)と打ち合わせを重ねてきましたが、弁護方針が折り合わなかったため、代理人を辞任しました」と述べている。

伊東純也

 この2代目弁護士は、つい最近まで女性らとの示談交渉の席に着いてきた人物だ。

 その際、伊東側はAさんと性的な関係を持ったことについては認めていた。そのうえで、示談交渉していたのである。

 そして本来、この代理人は週刊新潮の取材に応じる意思を示していたが、その約束が実行される直前に降ろされた格好だ。

 なお、この代理人も含め、伊東側に週刊新潮は取材を申し込んできたが、伊東本人はもちろん、マネジメント担当者であるX氏らからは一度として反論、弁明はなされなかったのである。

論理は破綻

 2代目弁護士の唐突な降板を受け、現在の加藤氏が「3代目」弁護士となったのは1月28日以降ということになる。

 その動きは素早く、1月30日には、週刊新潮の出版差し止めを求め、東京地裁にまで出向いている。

 ただし、この手続きの時点で加藤氏は「伊東選手とはまだ十分に連絡を取れていない」と言っていた。差し止め請求は伊東側の取り下げで終了している。

 が、加藤氏の動きは加速する一方で、2月1日には女性側に対する虚偽告訴容疑で大阪府警に訴えを出している。

 加藤氏は、Smart FLASHの取材に対してこのように述べている。

「同意があったとか、なかったとか、そういう話ではありません。これは、完全なでっち上げの事件なんです」(2月4日付記事)

 強気一辺倒の加藤氏は、伊東の無実を信じる人にとっては心強いだろう。

 しかし、冷静に見ると、その論理は破綻しているといえそうだ。

争われていなかった「行為の有無」

 加藤氏は「これは、完全なでっち上げ」と言う。「同意があったとか、なかったとか、そういう話ではありません」とまで言い切る以上は、性的な行為すら否定していることになる。

 さらに決定的な「証拠」となる動画もあるといい、一部のメディアには公開するというサービスぶり。

 しかしながら、これは先ほど触れた先代までの弁護士のスタンスとはあまりにも異なる。加藤弁護士に交代するまで、女性側と伊東側は示談交渉を進めていたが、その過程で「完全なでっち上げ」などという主張はされていない。

「初対面の女性2人をホテルの部屋に連れ込んで、酔って酩酊したAさんと伊東が性的な“行為”をした」

 というのは、その時点で双方が認めていたファクトである。

 加藤氏よりも長期間、交渉を担当してきた弁護士が主張できなかった「完全なでっち上げ」という主張はどこから生まれてきたものなのだろうか。

 そもそも「完全なでっち上げ」ならば、示談交渉には応じず、刑事告訴を受けての虚偽告訴などという面倒くさいこともせずに、脅迫などで女性側を訴えればいいだけのことである。

 しかしながら、そのようなことは一切なされていない。そうした主張もしていない。

初対面の女性にジャージを

 Smart FLASHに加藤氏が「でっち上げ」の証拠として挙げた、とされているのが、女性らが室内でジャージ姿になっている映像である。

 これが彼女たちの証言していた服装と異なる、着衣に乱れた様子がない、だから「でっち上げ」だ、という論理のようだが、これもかなり苦しいものがある。

 そもそも女性たちは酩酊状態にあり、記憶が一部欠けているのは本人たちも認めているところ。仮に記憶と服装が異なったとしても、それは「同意の有無」とは何ら関係がない。

 むしろ、なぜ伊東や専属トレーナーは、初対面の女性を部屋に招き入れたうえに、ジャージを提供したのかという疑問がわいてくるのが当然だろう。

 さらに言えば、その寝姿を勝手に撮影するのは、一体どういうことなのだろう。

 加藤氏は民事での名誉毀損(きそん)での提訴も検討しているという。

 しかし、つい最近まで伊東やX氏すら主張しておらず、代理人を務めていた2代目弁護士も口にしてこなかった「完全なでっち上げ」というメッセージをメディアを通じて拡散するのはどういう方針なのか。

 被害を訴えている女性らは、この対応に憤り、また身の危険も感じつつあるという。

 示談交渉でいったんは見せたはずの謝罪の意は一体どこに消えてしまったのか。

 そもそも交渉の過程で、Aさんが示していた悔しさや憤りは、X氏を通じてどこまで伊東に伝わっていたのか。

 今回の「虚偽告訴」の訴えを含め、セカンドレイプにつながりかねない戦略を伊東も認めているのだろうか。

デイリー新潮編集部