ともに勝利を収めた武居由樹(左)と平岡アンディ【写真:荒川祐史】

写真拡大

4団体統一戦前座

 ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体統一戦(東京・有明アリーナ)に臨む井上尚弥(大橋)に弾みをつける勝利を挙げた。26日、同会場での64.5キロ契約8回戦で、平岡アンディがセバスチャン・ディアス(メキシコ)に5回1分7秒TKO勝ち。54.5キロ契約8回戦で武居由樹(大橋)が、マリオ・ディアス(メキシコ)に2回2分23秒KO勝ち。大橋ジムの井上の後輩たちが快勝を飾った。

 まずは第4試合の武居が魅せた。2回。上にフェイントを入れ、相手のガードが上がった瞬間だ。左拳をボディーに一閃。鈍い音が会場に響いたと同時にファンが沸いた。膝を付いた相手は悶絶したまま立ち上がれず。8勝(8KO)でデビューから続く連続KOをキープした勝者は、拳を突き上げて歓声に応えた。

 リング上のインタビューで「まだまだ自分が満足する完成系の武居由樹ではない。来年またすぐ来ると思うので、それに向けて完成できるよう、もっと精進します」と意気込んだ武居。試合後の会見でも、期待される世界戦について「心の準備はいつでも行けるぞと思っているが、技術はまだ追いついていない」と更なる進化に向上心を見せた。

 ここまで8試合全てでKO勝ち。「相手がどれだけ強くても、絶対的にKOを狙っていく。どれだけ強い相手でも早い段階でKOしたい。それは一貫していきたい」とKO勝ちへの強いこだわりを示した。

 27歳の武居は元K-1王者。昨年8月の東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチで5回TKO勝ちし、プロボクシング転向5戦目で初のタイトル奪取した。今年7月には54.0キロ契約8回戦で勝利。今回は3戦連続で井上の前座に入っていた。

平岡も勝利

 第5試合の平岡も続いた。開始1分過ぎ、右ジャブから右フックでダウンを先取。終了間際にはアッパーを入れた。しかし、2回に右フックを空振りして体勢を崩した直後、相手の右フックを被弾。ふらつき、ヒヤリとさせた。3回以降は持ち直して攻勢に。4回はロープ際で連打を浴びせた。決着は5回1分過ぎ。強烈な左右のフックを着弾させたところでレフェリーストップがかかった。

 リング上でマイクを握ると、「英語で1つ言いたいことがある」と切り出し、「Any champion at 140, I’m coming for you(スーパーライト級のチャンピオンたち、待ってろよ)!」と宣戦布告。会見では「世界が注目する統一戦なので、英語で発信できればと」と意図を明かした。

 自己評価は100点満点中65点。「練習でやってきたことはできた」としつつ、「まだ自分としては世界チャンピオンになれていない。到達するまでは自分に厳しくいきたい」と先を見据えた。

 27歳の平岡はIBF世界スーパーライト級10位。2013年12月のプロデビューから22勝(17KO)で無敗をキープしてきた。昨年12月に井上がバンタム級4団体統一を果たした際も前座で8回TKO勝ちし、今回が1年ぶりの試合。9戦連続でKO勝利を決めた。

 先輩のWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者・井上は、メインイベントでWBA&IBF王者マーロン・タパレス(フィリピン)と対戦。勝てば男子では世界2人目の2階級4団体統一となる。

(THE ANSWER編集部)