ルール改定…松井裕樹の米移籍で最大の障壁 改善必須、12球団“最遅”の「38.2」
パドレスと5年約40億円で契約を結んだ松井裕樹
楽天から海外FA権を行使した松井裕樹投手が23日(日本時間24日)、パドレスと正式に契約を結んだ。28歳の左腕は守護神候補としても期待がされている一方で、MLBの“新ルール”が障壁になる可能性がある。
MLBは21日(同22日)、来季から一部ルールを改正することを発表した。今季から導入された投球間隔制限の「ピッチクロック」は、走者ありの場合に20秒から18秒に短縮される。松井はこの投球間隔がメジャーでは課題になってくる。
セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTAのデータを見ると、松井は前の投球からの間隔を中央値で表した指標「Tempo」は走者なしで1球あたり27.7秒、走者ありで38.2秒だった。今季30イニング投げた投手の中で1番の長さとなっている。
DELTAのデータでは、投球後から次の投球の間を計測しているため、ピッチクロックの計測と同じではないが、来季からは投球間隔を改善させる必要がある。3月のWBCではMLB球への対応にも苦戦した。逆境をはねのけ、5年2800万ドル(約39億8000万円)の契約を超える活躍を見せたいところだ。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
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2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1〜3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。