三重県警本部(写真・時事通信)

 三重県警の巡査の「不適切な職務執行」が注目を集めている。

 警察署勤務の20代男性巡査は8月26日未明、バイク数台による騒音苦情の110番を受けて現場に出動。2人乗りをしていた原付バイクから逃走する少年を捕まえて地面に押し倒し、「何逃げとんのや」「調子に乗るな」などと言って詰め寄ったという。

 この少年は、ヘルメットをかぶらずにバイクの後部に乗っていたが、けがはなかった。少年の母親が説明を求めたことから状況が明らかになった。

 この巡査の行動が「威圧的な態度を取る不適切な職務執行」とされ、三重県警はこの巡査を10月26日付で本部長注意処分とした。巡査本人は「熱くなってしまった。反省している」とコメントしている。

 SNSでは、この件について

《何がダメなん?三重県警は不良を丁寧に扱わなあかんの?》

《生意気な逃げたクソガキ押さえ付けて何が悪いんだよ、このお巡りさん、良くやった!》

《巡査の行為は適切やろ。こんなことで本部長注意が入るんであれば、三重県警なめられるよ・・・》

《現場が萎縮するような幹部がいる三重県警が情けない》

 など、巡査の行為が問題ではなく、なぜそれが処分されるのかという、警察組織に対する批判的な意見が多く、処分に賛同する声は皆無の状態だ。

警察官の処分には公務員法による『免職』『停職』『減給』『戒告』がありますが、『注意』はそれにあたらず、内規による処分です。本部長とは県警のトップで、そこからの注意ということで、内規処分のなかでは『訓告』に次いで重いのが『本部長処分』ということになります。公務員法に触れないとはいえ、その後の昇進などには影響があるとされています」(週刊誌記者)

 この件を報じた11月12日付「讀賣新聞オンライン」の記事には、13日の時点で約3500ものヤフーコメントがついている。そのなかで「元警察官」という人物は

警察改革で「おいこら」警官はタブーとなり制服も威嚇(警棒や拳銃が外観から見えていた)から、ソフトな面へと変わって行きました。(中略)確かにどんな場面でも行き過ぎ、越権行為はいけません。ただ、調子に乗ってる者に、一喝を入れるのが「怖い警察官」であってもいいじゃないですか! 命張ってるんです、その人が事故に合わないように、二次被害がないように熱くなっているんです。幹部も、影ではその巡査を褒めてやって下さい》

 と意見している。

 これも、警察という組織が抱える矛盾なのか――。