エンゼルスの大谷翔平【写真:ロイター】

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右肘を痛めた大谷の契約は総額781億円、1回ごとの出来高も

 エンゼルス大谷翔平投手は、今オフFAとなる。またオリックスの山本由伸投手は、ポスティングシステムを利用しての米大リーグ挑戦が濃厚とみられており、2人の日本人選手は大リーグの今オフ補強対象としてもトップ10に入る存在だ。米専門メディアは2人を含めた有力FA選手の行先と“お値段”を予想。「スポーツ界で最も高い給料の打者の一人になるだろう」「ばかばかしいほどの才能を持っている」などと最大級の評価を与えている。

 米スポーツ専門メディア「ブリーチャー・リポート」が「トップMLBフリーエージェントの値段を予想する」という記事で公開したもの。「MLBオフシーズンの今後数か月のある時点で、ショウヘイ・オオタニは非常にリッチな若者になるだろう」という書き出しで始まり「このオフシーズンに大型契約を結ぶ可能性が最も高い10選手について、契約がどのようになるかについての予測をまとめた」としている。

 大谷は10年総額5億2000万ドル(約781億円)という巨額の契約で、ドジャース入りすると予想されている。9月に受けた右肘の手術のため、来季は投手としてはプレーしないとみられているが「期待されるのは、2025年に願わくばマウンドに戻ってくるまでは、制限なく打てることだ」と今季本塁打王に輝いた打力を存分に見せつけることが求められている。

 また、肘を痛めたことで「最終的には、10年で3億5000万ドル(約525億7000万円)の保証に加えて、1イニング投球するごとに10万ドル(約1502万円)という、インセンティブが積み重なる契約になる可能性がある」と出来高が手厚くなる可能性も指摘している。そうなれば「防御率のタイトルを獲得できるための資格を得るのに十分な投球(=規定投球回)をすれば、そのシーズンは少なくとも追加で1600万ドル(約24億円)となる」という。

 さらに「一切投げなくても、彼はまだスポーツ界で最も高い給料の打者の一人になるだろう」と、米プロスポーツの歴史に残る契約を想定しているようだ。

山本由伸は「“大谷でない層”で最大の契約を得るべき」

 この記事は山本について、7年総額2億1000万ドル(約315億4100万円)でメッツ入りと予想している。「彼はWBCのチームメイト(オオタニ)の半分さえも得られないだろう」とする一方で「フリーエージェントの“オオタニでない層”で最大の契約を得るかもしれないし、得るべきである」と、二刀流でプレーする大谷の特異性を浮かび上がらせている。

 今オフのFA投手の中で最大級の評価をする理由として「彼がばかばかしいほどの才能を持っているからである」と指摘。その根拠は「どのプロリーグでプレーしているかは関係なく、171イニングを投げて1.16ERAというのは非現実的だ」というNPBでの圧倒的な成績にある。

 そして、高卒7年目のシーズンを終えたばかりという年齢もポイントだ。「他の注目すべきフリーエージェントは全員28歳以上だが、ヤマモトは8月に25歳になったばかりだ。契約終了までに完全にダメになるのではないかという不安を感じることなく、FAの選手と7年契約を結ぶ極めてまれな機会となる」と、長期契約への不安が下がっていると指摘する。

 その上で「ヤマモトの状況は10年前のマサヒロ・タナカとほぼ同じだ」と、2013年オフにヤンキース入りした田中将大(楽天)の状況と重ね合わせた。「当時まだ25歳だったタナカはヤンキースと7年で1億5500万ドル(当時約161億円)の契約を結んだが、これは過去10年間のMLB契約の“インフレ”を勘案すると(現在では)約2億2000万ドル(約330億4300万円)に相当する」として、山本もほぼ同じ規模の契約を結ぶとみているという。

 他のトップ10の選手にはコディ・ベリンジャー(カブス)、マット・チャップマン(ブルージェイズ)、ルーカス・ジオリト(ガーディアンズ)、ジョシュ・ヘイダー(パドレス)、ジョーダン・モンゴメリー(レンジャーズ)、アーロン・ノラ(フィリーズ)、エドゥアルド・ロドリゲス(タイガース)、ブレイク・スネル(パドレス)が上がっている。最上級の評価を受ける2人の日本人に、この冬は注目が集まる。

(THE ANSWER編集部)